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[選手権予選]東北|2回戦 大場綾乃が失地回復の同点弾、明桜が2試合連続のPK勝ちで4強

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

誰も予想しなかった2試合連続のPK戦を制し、4年連続のベスト4。明桜(秋田)が全国出場権獲得に向け、最低条件となる準決勝進出を果たした。

第25回全日本高等学校女子サッカー選手権大会東北地域大会は12日、岩手フットボールセンターなどで2回戦4試合が行われ、明桜は酒田南(山形)と対戦した。

試合はいきなり動く。左からつないだボールを佐藤里菜が押し込み、酒田南がリードを奪う。その直後には、コーナーキックから横山夏希がヘディングシュート。明桜が失点から1分も経たずに試合を振り出しに戻した。

ゴールを奪い合って始まった試合だが、その後は拮抗する。中盤、サイドでボールの出どころを抑えられ、前日のようなサイド攻撃を封じられた明桜に最大の決定機が訪れたのは後半8分のこと。ボランチの松木実冬が中盤からドリブルを仕掛けると、相手DFの間を縫うようにするするとペナルティエリアへ侵入。酒田南DFも必死のクリアで事なきを得たが、ゴール前は大混乱に陥った。

粘り強い守備から相手の背後を突きながら、機会を窺っていた酒田南にもチャンスが訪れる。後半終了間際の39分、佐藤里が右サイドを崩して折り返すと、ゴール前に顔を出していた松田琉花が冷静にシュート。土壇場で勝ち越しゴールが生まれる。

このまま酒田南が逃げ切ると思われたアディショナルタイム、さらなるドラマが待っていた。明桜はコーナーキックを獲得。小沼優真が鋭いボールを入れると、大場綾乃が競り合いからヘディングシュート。ボールはクロスバーに当たってゴールイン。土壇場で追いついた。2試合連続となったPK戦でも5人全員が成功。5−4で酒田南を退け、2試合連続PK勝ちというドラマティックな展開でベスト4に駒を進めた。

土壇場でチームを救うゴールを決めたのは、背番号7のキャプテン大場だった。渾身のヘッドを叩き込み、終了間際の失点で敗色濃厚だったチームを救った。

「2点目を決められて、時間も残り少なかった。これをぜったい決めるという気持ちで、それだけの気持ちで頑張りました。すごい競り合いでマークもついていたし、あまり自分でも覚えていないんですけど、ぜったい決めると思って当てました」(大場)

怪我人の影響で試合に出ている3年生がふたりという若いチームで、最上級生として、キャプテンとして、責務を果たした大場。だがもうひとつ、乗り越えなければいけない試練があった。前日のPK戦、3人目のキッカーとして臨んだが、ボールは相手GKに止められているからだ。

「昨日、外しちゃたので本当はけりたくなかった。でもぜったいここで決めなきゃと思って、落ち着いてけりました。コースも昨日と一緒です」と、ゴールネットを揺らすと安堵の表情を見せた。今までは順番が回ってくる前に決着がつき、公式戦でPKをけるのは今大会が初めてだったという。

準決勝の相手は、昨年も対戦して0−3で敗れている常盤木学園(宮城)。「チャンスは何回かあると思うのでそれをものにして、決めきるようにしたいです」。貴重なゴールを決め、試練も乗り越えて頼れるキャプテンが、全国のかかった試合でもチームを牽引する。