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[なでしこジャパン]女子W杯予選まで1年、アルガルベカップで始まるチャレンジのシーズン

トピックス 大住良之(サッカージャーナリスト)
 なでしこジャパンが「チャレンジの年」2017年を迎えた。すでに1月20日〜24日に東京でフィジカル中心の合宿を行ったが、それに続き3月1日に開幕するアルガルベカップ(ポルトガル)に参加してことし初めての実戦にはいる。

 昨年3月のオリンピック予選敗退を受け、高倉麻子新監督の下、5月にスタートを切ったなでしこジャパン。目標は2019年の女子ワールドカップ(フランス)と2020年東京オリンピックで再び世界を相手に戦えるチームづくりだ。だがことしは大きな公式戦がない。2019年女子ワールドカップのアジア予選を兼ねるAFC女子アジアカップの決勝大会は2018年4月にヨルダンで開催されるが、日本は地元ヨルダン、オーストラリア、中国とともに予選を免除されているからだ。

 世界の強豪が集まるアルガルベカップに出場した後は、4月9日に熊本でコスタリカと親善試合を戦い、6月にはヨーロッパに遠征してオランダ代表(6月9日)、ベルギー代表(6月13日)と連戦する。そして10月22日には、長野で親善試合(相手未定)、そして12月には日本で行われるEAFF E-1チャンピオンシップ(旧東アジアカップ)に出場する。

 昨年はアメリカ、スウェーデンとアウェーで試合をし、勝つことはできなかったものの若手が奮闘したなでしこジャパン。その間に、U−17とU−20の2つの代表が世界大会に出場し、それぞれ準優勝、3位という好成績を残すとともに、日本らしいパスサッカーがフィジカルの強い世界の強豪を相手にしても充分通じることを示した。とくに高倉監督自身が率いたU−20女子ワールドカップでは、ほぼナショナルチームに近い戦力をもつスペイン、カナダ、ブラジル、フランス、アメリカなどと戦い、大きな経験を積むとともに自信をつかんだ。

 ことしはそうした若い世代がなでしこジャパンにチャレンジし、ベテランを追い上げていく年だ。同時に、チームとしても、新しい組み合わせを模索し、来年、そして再来年へ向けてチーム固めをスタートさせる年だ。

★★★

 そのスタートであるアルガルベカップには23人が選出された。そのうち2015年の女子ワールドカップ(カナダ)に出場したのはわずか9人。昨年のU−20からGK、DF、MF、FWにひとりずつ、計4人が引き上げられた。GKは平尾知佳(昨年のスウェーデン遠征からチーム入り)、DFは左サイドバックの北川ひかる、MFは攻撃的な長谷川唯、そしてFWは小柄ながら圧倒的なテクニックをもつ籾木結花である。

 キャプテンは2011年ワールドカップを経験する熊谷紗希。フランスのオリンピック・リヨンで活躍するなでしこジャパン不動のセンターバックである。

 23人の大半は1月の候補合宿に参加していたが、経験豊富なFW岩渕真奈を除くと、DFの中村楓が1月の招集外だった。中村は岩手県出身、常盤木学園高校を経てアルビレックス新潟レディースでプレーするセンターバック。「点を取れる選手を探している」と語る高倉監督だが、熊谷と並ぶセンターバック探しも重要なポイントだ。

 FWでは、これまでずっと中心だった永里優季が「クラブのプレーに集中したい」と代表を辞退、すでに「中堅」と呼んでいいポストプレーヤータイプの菅澤優衣香に期待が集まるが、岩渕、横山久美、増矢理花、籾木といった小さなテクニシャンタイプをどう組み合わせるかも興味深いところだ。さらに、スピードを武器とする田中美南にも期待したい。

★★★

 アルガルベカップではB組にはいり、3月1日にスペインと、3日にアイスランドと、そして6日にノルウェーと対戦し、8日に順位決定戦となる。ことしはアメリカ、ドイツ、フランス、ブラジルといった強豪が出場せず、A組にはカナダ、デンマーク、ポルトガル、ロシア、C組にはオーストラリア、中国、オランダ、スウェーデンがはいっている。

 「この顔ぶれなら優勝を」と言いたいところだが、それ以上に、若い選手が伸び伸びと力を発揮し、ベテランを追い上げてほしいと思う。

 この大会と並行してスペインで行われる「ラマンガ国際大会」には、池田太監督が率いるU−23日本女子代表が派遣され、アメリカ、ノルウェー、スウェーデンと対戦する。そこには昨年のU−20女子ワールドカップでMVPとなったMF杉田妃和、得点王となったFW上野真実も含まれており、ここでの活躍次第では、4月以降のなでしこジャパン昇格もあるだけに、活躍が注目されるところだ。

 アルガルベでもラマンガでも、積極的なチャレンジを期待したい。
(了)