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[神奈川県新人戦]新人戦初制覇、星槎湘南の新キャプテン・宮澤ひなたの意識を変えた日ノ本戦

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

第23回神奈川県高校女子サッカー新人大会の決勝戦が11日に行われ、湘南学院と星槎国際湘南が対戦。後半開始早々にあげた1点を守りきった星槎湘南が1−0で勝利し、創部3年目で初優勝を飾った。

FW加藤ももがU-16日本女子代表の合宿で不在の中、星槎湘南の柄澤俊介監督は公式戦出場経験の少ない選手を抜擢する。前半は経験不足もあったか、リズムが生まれない。湘南学院のプレッシャーに晒され、中盤でボールを奪われる場面が多発した。右サイドではFW安保舞美がドリブルを仕掛ける。相手マークを引き連れながら深い位置までボールを運ぶものの、味方のサポートが得られずペナルティエリアへの侵入を阻まれた。

「(前半は)ビルドアップで関わりを多くすることを意識していました。もう少し自分が関わっていれば、他のところが楽にプレーできたと思います」と、前半はトップ下のポジションをまかされたFW宮澤ひなたは反省を口にする。それでも前半を無失点でしのいだことが後半につながった。

試合が動いたのは後半が始まってすぐの3分。最終ラインの夏目萌由から宮澤へパスが渡ると、宮澤は相手DFの注意を引きつけながら左サイドへ。「(夏目)萌由からいいボールがきたので、中に送るだけでした」という宮澤が中央へ折り返すと、ゴール前へ安保が走りこむ。右足で合わせたシュートがゴールネットに突き刺さり、待望の先取点をあげた。

百瀬碧依、江原奏音がはいった中盤も安定する。中と外の関わりが増えることでサイド攻撃が機能。星槎湘南らしい連携からシュートする場面を作り出し、悪い流れを断ち切った。後半33分には右サイドをえぐった安保がマイナス方向にクロス。ゴール正面で受けた宮澤がDFをかわしてシュートする。決定的なチャンスだったが、ボールは枠を捉えない。追加点には至らなかったが、1−0のまま逃げ切った。

★★★

この冬の選手権では1回戦で日ノ本学園と対戦。前半26分までに3−0とリードするが、その後に3失点。3−3からのPK戦にも敗れた。1回戦敗退を喫したものの、全国制覇7度(インターハイ4回、選手権3回)の強豪に対してインパクトを残している。だが、その試合で2得点1アシストの活躍をした宮澤は、自分たちと日ノ本との間に違いを感じたという。

「日ノ本相手に3点取れたことは自信になったと思うんですけどツメが甘かった。後半の球際、ボールへの執着心は日ノ本の方が上でした。(自分たちには)疲れた中でも走って、チームのために戦うことが少し足りなかった。(日ノ本からは)本当に執着心を感じましたし、マッチアップしてても”絶対に取り切る”という迫力がありました。チームとしての一体感があったと思います」

選手権での最高成績は、初出場した2年前のベスト16。ここ2大会はいずれも1回戦でPKの末に敗退している。宮澤、加藤といった傑出した能力の持ち主がおり、ひとりひとりの選手もしっかりした技術を持つ。OSAレイアFCから続く一貫した指導のもと、チームとしてのスタイルも確立されている。

それらをいかに勝利へ結びつけるか。トーナメントを勝ち抜くために、自分たちに足りないことはなんなのか。自分たちは何をするべきなのか。それに気づくきっかけとなったのが日ノ本戦だったのかもしれない。

「”チームのため”とはどういうことか。誰かのためにやることが自分を強くするんじゃないかのか、という話を最近はしています。今までは口だけだったかもしれないですけど、そういうこともグラウンドの上で表現しなければいけない」と、新チームのキャプテンに就任した宮澤は話す。選手権での敗戦を糧として、チーム力を最大限に高めて全国大会での躍進を目指す。高校ラストシーズンが始まった。