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[東京都新人戦]決勝|十文字にタイトルもたらした左サイドコンビ、蔵田あかりと橋本真優

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

選手権準決勝の再戦となった、第17回東京都女子サッカー新人戦大会の決勝戦。選手権を初制覇した十文字は修徳に2−1で競り勝ち、3年ぶりの優勝を飾った。

選手権決勝からわずか一週間、優勝の余韻も冷めやらぬなかで大会初戦を迎えた。「(これから追われる立場になると問われて)多分そうはならない。まず東京を抜けるのが苦しくなることは十分にわかっている」と石山隆之監督が話していたように、苦しいゲームの連続だった。

大会初戦となった準々決勝では成立学園と対戦。前半23分に佐藤珠実のゴールで先制するものの後半は相手の反撃を受け、押し込まれながらも1−0で逃げ切った。準決勝では、創部10年目で初めて4強に勝ち上がった東久留米総合に先制点を許す苦しい展開。足立琴音と鵜沢千聖のゴールで2−1と逆転勝ちした。

そしてこの決勝も1点差ゲーム。試合は立ち上がりから修徳ペースで進み、続けざまにシュートチャンスを作る。ここを凌ぐ原動力となったのは、選手権で身につけた粘り強い守備。修徳得意のセットプレーなど、相手の時間帯を耐え抜くと、流れは徐々に十文字へと傾いていく。

ようやく均衡が破れたのは後半27分。左サイドを突いた蔵田あかりが中へ折り返すと、混戦から最後は瀧澤千聖が押し込む。同33分には修徳・岩下友香に同点ゴールを許すが、十文字は最後まで勝負を捨てなかった。失点から2分後、後半終了間際の35分に蔵田の折り返しを佐藤が押し込んだ。この土壇場の勝ち越し点が決勝点となり、2−1で勝利した。

選手権では3年間ピッチに立ってきた3年生を中心とした熟成されたチームで栄冠を掴んだ。スタメンから7人が抜けた上、新人戦に向けた準備期間もほぼないなか、十文字は左サイドのコンビネーションを足がかりにふたつのゴールを奪った。左SHが定位置の蔵田とコンビを組んだのは、左SBの橋本真優である。

橋本がボールを持つと、蔵田はいったん中にポジションをとる。そして相手の意識を中にひきつけたところで、一気に自慢の快速を飛ばして裏を突く。「紅白戦でもやってきたことが活きて、得点に繋がったと思います」と、蔵田は練習の成果であると話した。

ふたりはともに十文字中学出身。蔵田は主将、橋本は副将に就任している。「自分の欠点を知っているので、それを上手くカバーしてくれる。自分の長所を活かすようなプレーをしてくれるのですごくやりやすいです」と蔵田が話すように、ピッチ内外で支え合う間柄なのだ。

「得点以外はまだまだ。全然でした」(蔵田)と、試合内容には満足していない。昨年度は個に秀で、経験豊富な選手が各所に配置されマークも分散。息の合った連携の中で蔵田も活かされていた。この試合では、DFを置き去りしてシュートに持ち込むといった、持ち味である高速ドリブルを発揮するには至っていない。それでも現時点で持てる力を出し切り、勝利を手にした。船出したばかりのチームには、自信となったに違いない。