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[宮城県高校総体]準決勝・聖和戦勝利で壁を乗り越えた明成、初のインターハイ目指して東北大会に挑む

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

17日から岩手県で開催される平成29年度 全国高校総体サッカー競技東北地域予選。インターハイ初出場を懸け、宮城県代表の明成が挑む。

宮城県高校総体では、昨シーズンは2度対戦して敗れている聖和学園を準決勝でPKの末に撃破。常盤木学園との決勝は0−4で敗れたが、東北大会の出場権を獲得した。東北地域のインターハイ出場枠は1だが、今年は宮城県で本大会が開催される。優勝した常盤木は開催地代表として出場し、準優勝校である明成が東北大会に参加する資格を得たのである。

インターハイ出場へ最低条件となる決勝進出が懸かった、聖和との準決勝はピンチの連続だった。18分には右サイドからのパスを受けた中村瑠花が相手GKの頭上を越えるシュートを放ち先制。シンプルな攻撃から相手最終ラインにプレスをかけ、聖和のパスワークを封じる。前半は明成ペースで試合を進め、1−0で折り返した。

一方、後半は聖和に主導権を奪われる。立ち上がりの3分に失点を許すと、その後もポゼッションされパスを回された。ボールを追いかけ、足を攣らせる選手も続出するなか、GK工藤与夢の好セーブや最終ラインの落ち着いた守備でしのぎ、PK戦での勝利に繋げた。シュート数は4対16(後半以降は2対10)。足もとがふらふらになりながら、10分ハーフの延長を含めた90分間を戦い抜いた末の金星だった。

キャプテンの豊後彩香は試合を次のように振り返る。

「自分たちは今まで我慢することが苦手で、後半の後半にやられて負けてしまうことが多かった。そこをみんなしっかり意識して、我慢するところを耐えて、気持ちに変えて勝利を掴みました」

2年前の同大会では、当時1年生だったFW武田菜々子のゴールで先制しながら逆転負け。昨年も延長で仙台育英からリードを奪ったが、その後に追いつかれてPK戦で敗れている。今年はリードを守りきり、これまで阻まれてきた”準決勝の壁”をようやく乗り越えた。勝ち切ることができるようになった要因はどこにあるのか。

「(選手の)人間性が変わってきました。気持ちの持ち方が変わり、それがサッカーに反映されているんだと思います」と、昨年度から監督に就任した落合恵監督は話す。

変化の兆しを見られたのが、県総体開幕を1ヶ月後に控えた4月29日の東北リーガ開幕戦(vs 常盤木)。ピッチ上で仲間を励ましたり、要求し合うなど、前向きな声かけが増えてきた。勝利は得られなかったものの(1-1で引き分け)、チーム一丸となって戦う準備が整いつつあることを感じさせてくれた。芽生えつつあったチームの結束力が存分に発揮されたのが、前述した聖和戦だったのである。

「厳しく言ってくれるけど、自分たちの考えを尊重してくれる」(豊後)という落合監督と選手の信頼がそのベースにはある。落合監督は選手ひとりひとりと握手を交わし、言葉をかけてピッチに送り出す。声をかけられた選手の瞳に魂が宿る瞬間を目の当たりにすれば、監督と選手が固い絆で結ばれていることは一目瞭然。信頼する師からの言葉だからこそ彼女たちの胸に響き、チームも選手も変わることができたのだろう。

17日に開幕する東北大会はシードとなり、1回戦は免除された。大会初戦(準決勝)が代表決定戦という難しいシチュエーションだが、チーム一丸となって全国を掴みにいく。