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[選手権予選]東京|混戦必至の決勝リーグが開幕、激戦の東京を勝ち抜くのはどこか?

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

選手権の都府県予選から地域大会への出場枠が最大2となった2014年度以降、東京は毎年のようにベスト4以上に勝ち上がるチームを送り出してきた(下記参照)。それまでは”8強”と言われる上位校がしのぎを削り、3〜4校が全国大会に進んでいた。それが今は全国どころか関東大会にも2校しか進めない。現場のプレッシャーは相当だろうが、その厳しい戦いを勝ち抜く強さが全国大会を勝ち上がる要因のひとつとなっている。

▽2014年度
村田女子:3位

▽2015年度
修徳:3位

▽2016年度
十文字:優勝
修徳:3位

8月18日に開幕した今大会の予選トーナメント勝ち抜き、決勝リーグへ駒を進めたのは十文字(Aブロック)、修徳(Bブロック)、村田女子(Cブロック)、飛鳥(Dブロック)の4チーム。この4チームによる総当たりの決勝リーグが2日から始まり、2チームに与えられる関東大会の出場権を争う。

■十文字

昨冬の選手を初制覇した十文字。昨シーズンからスタメンが大幅に入れ替わり、新たなスタートを切った。芦花に16−0で大勝して初戦突破すると、”打倒十文字”に燃える成立学園とのブロック決勝を迎える。開始早々の9分、相手DFの横パスをカットすると、蔵田あかりのパスから浜田芽来が先制。後半16分にはCKから三谷和華奈がワンタッチでゴールに流し込む。狙い通りの形から追加点を奪い、2−0で退けた。

GK、ダブルボランチ、トップ下。全国制覇の屋台骨を支えたポジションに新たな人材が育ってきた。成立学園戦では思い切った飛び出しでピンチを未然に防いだ1年生GK野田明日香。CBからボランチに上がり、攻撃を舵取りする冨田美波。そして”10番”を受け継いだ小林一歩は、精度の高いキックと相手の逆を突くドリブルでDFに脅威を与える。縦に仕掛けられる選手の駒は豊富なだけに、こうした選手の活躍が鍵を握る。

■修徳

選手権2大会連続のベスト4、7年連続で出場中の修徳。日大櫻丘との初戦を12ー0で大勝すると、晴海総合とのブロック決勝も4−0で快勝。危なげなく決勝リーグに駒を進めた。この試合ではセットプレーの強さを発揮した。前半5分、同12分にはCKから平川杏奈、堀井綾乃が決めると、その6分後にはCKのクリアを拾った栃谷美羽がミドルシュートを突き刺す。後半にもCKの流れから岩下友香がゴールネットを揺らしている。

今年はスタメンに3年生が3人と少ないが、栃谷、堀井、武井ののこら1年生の成長がチーム力を押し上げている。なかでもCB、右SBで出場した栃谷はCKのキッカーを務めるなど、精度の高いキックで勝利に貢献。本来は攻撃的なポジションの選手だが、与えられたポジションで自分らしさを発揮している。毎年、冬にはチームを仕上げてくる有賀監督だが、まだ伸びしろのあるチームをどう成長させながら勝利に導くか。

■村田女子

2年ぶりの決勝リーグに進出したのが村田女子。予選3回戦では専守防衛の日大三を相手に4−0で勝利。イタリア遠征するなど守備力を強化した文京学院とのブロック決勝は厳しい戦いとなった。前半21分、相手守備の一瞬の隙を突き、スペースに飛び出した高月彩香が頭で押し込み先制。後半24分にはCKからU-17日本女子代表の左SB小田川真奈が頭で合わせ、ダメ押しの追加点をあげ2−0で勝利した。

球際の強さ、タフさといったチームが継承する良さに加えて、足もとの技術に優れる選手が多いのが今年の特徴だ。ボランチの井上芳香を中心とした中盤のパスワークでリズムを作り、小田川、宮下愛深の左右SBも攻撃に厚みを加える。00年度にキャプテンを務めた田村奈津枝さんが今年2月、交通事故により他界した。当時のユニホームをベンチに掲げて試合に臨む矢代浩平監督は、”今年こそ”の想いを胸に秘めているに違いない。

■飛鳥

大会初戦はこれまで幾度も対戦してきた日体桜華。ブロック決勝では初のベスト8に駒を進めた杉並総合。モチベーションの高い相手を退けた飛鳥は、昨年に続いて予選トーナメントを勝ち抜いた。いずれの試合でも先制点をあげたのはMF木内菜々。日体桜華戦では2列目からの飛び出し、杉並総合戦ではこぼれ球を蹴りこんだ。相手の集中力が途切れない0−0の時間帯に決めた価値あるゴールである。

杉並総合戦ではMF神下愛華がインパクトを残した。1点目、2点目は左サイドからペナルティエリアに切り込み、右足でゴールネットに豪快なシュートを突き刺す。試合終了間際にも3点目を決め、ハットトリックを達成。決勝リーグに臨むチームを勢いづけている。GK和氣ななみ、DF瀧澤璃麻、DF出耒村亜美、MF村山彩、MF中田優衣、FW中谷汐音ら、要所に選手が揃う今年は4年ぶりの選手権出場を視界に捉える。