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[茨城県新人戦]「出ておしまいにならないために」、2年ぶり優勝の鹿島学園が新たな船出

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[2019.2.3 茨城県新人戦 決勝 鹿島学園 3-0 常磐大学]

この冬の選手権に初出場した鹿島学園が2大会ぶりに県新人戦を制した。

セキショウチャレンジスタジアムで行われた第14回茨城県高等学校女子サッカー新人大会の決勝戦。鹿島学園が常磐大学に6−0で大勝を飾った。



鹿島学園は今年1月、全日本高校女子サッカー選手権の舞台に初めて立った。粘り強い守備に加えて、小室真綾(3年)のFKなど数少ないチャンスをゴールに結びつける決定力の高さで激戦の関東大会を切り抜けた。新チームとして最初の大会に臨んだチームは、立ち上がりから主導権を引き寄せる。

試合が動いたのは前半19分、MF成田美来(2年)のコーナーキックからMF岩下未咲(2年)が豪快なヘディングシュートを決めた。先制して勢いを得ると、畳み掛けるように次々とゴールネットを揺らしていく。

前半21分にはMF高橋把奈(1年)が落としたボールを岩下が右足で蹴り込む。同29分にはDFラインの背後を突いたMFチェ・ヨウォン(1年)が3点目を決めた。前半だけで3−0とリードを広げ、後半もチェ、岩下、FW加藤渚(1年)がゴールネットを揺らす。岩下はハットトリックを達成している。

この日は、選手同士がいい距離感を保ちながら、連動した動きで相手DFラインを翻弄。体を張ってゴールを死守していた常磐大の城門をいとも簡単にこじ開けた。

前線の選手が臨機応変にポジションを変えながら相手DFの注意を引き、ゴール前を空けた隙を逃さずにスペースを突く。韓国人留学生、チェが決めた3点目はまさにその形だった。狙い通りのプレーからゴールを生み出している。

「しっかり繋ぐことと、裏を狙うところ。状況判断してプレーすることを少しずつチャレンジして、その中で何本かいい繋がりができた」。髙月美希監督は”まだまだ”と言いながらも、選手のチャレンジを評価した。

スタメン中、9人が選手権でもスタメンに名を連ねていた。チームに大きな変動がなく、連携面での積み上げがこの試合でも生かされていたのだろう。

その選手権では播磨に2−5で敗北した。前半8分に先制点を許すと、17分までに4失点。立て続けにゴールを奪われ、関東大会を勝ち抜いた粘り強さを見せることはできなかった。セカンドボールを先に拾ってさえいれば防げた失点もあっただけに悔やまれる。

「普段のちょっとした気の緩みがそこに出てきて、サボってしまったりだとか、そういうところが最終的に失点に繋がってしまった」と髙月監督は振り返る。

そのコメントを聞き、思い出したのは常磐大戦の立ち上がりだ。キックオフ直後、常磐大の選手が自陣でボールをつなぎ始める。鹿島学園の選手たちの寄せが甘く、思い通りにボールを繋がせてしまった。ベンチからもすかさず檄が飛んでいた。

ほとんどの時間帯で敵陣に押し込み、狙い通りの形で得点も奪っている。相手のシュートも2本に抑える完勝である。だが、選手権での大敗を経験だけで終わらせないためには、突き詰めなくてはならない部分でもある。

「もっともっと戦えるチームになっていきたい。全国を一度経験させてもらって、あの舞台にもう一度立ちたいという気持ちもある。ただ出ておしまいではなくて、そこで結果を残せるようなチームになっていきたい。勝利を追求することはもちろんなんですけど、日常の部分や礼儀の部分も含めて、しっかりと成長していけるようなチームを目指していきたい」(髙月監督)

新たな船出をしたチームは、次なるステップに挑む。