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[東京都新人戦]十文字が10度目優勝!築き上げたベースを携え、新たなサイクルへ

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[2019.2.17 東京都高校新人戦 決勝 十文字 2-1 村田女子]

東京都高校女子サッカー新人大会の決勝が17日に私学事業団総合運動場で行われ、十文字が2年ぶり10度目の優勝を飾った。

準決勝で修徳を下した村田女子との決勝(35分ハーフ)は前半、徐々に主導権を引き寄せた十文字がボールを動かしながらゴールを窺う。

最初の決定機は前半23分。長若菜(1年)がペナルティーエリア手前で右足を振り抜くが、ボールはクロスバーを直撃。十文字の素早いボール回しに対して、集中を切らさず守っていた村田女子の一瞬の隙を逃さずシュートに持ち込んだ。

つづく25分、ついに試合の均衡が破れる。今大会のキャプテンを任された三谷和華奈(2年)が右サイドを突破。GKとDFの間に速いボールを送る。ゴール前には安部美楽乃(1年)が走り込み、これが村田女子のオウンゴールを誘った。

その2分後には藤田美優(2年)のスルーパスに反応した神谷優子(2年)がフリーでボールを受け、冷静にゴールに流し込む。2−0とリードを広げて前半を折り返した。

後半も序盤は十文字ペース進む。後半13分には村田莉菜(1年)がゴール隅へ際どいシュートを放つが、村田女子GK小林ちひろ(2年)が横っ飛びではじき出す。

絶体絶命のピンチをしのいだ村田女子にもチャンスがめぐってくる。後半22分、コーナーキックの流れから大野真澄(2年)がワンタッチでネットに沈めた。

1点差として勢いに乗った村田女子は2分後にも本荘さくら(2年)がコーナーキックから頭で合わせるが、今度は十文字GK鈴木寛那(1年)がビッグセーブ。村田女子に同点ゴールを許さない。

その後のピンチもしのいだ十文字が2−1で逃げ切っている。



主導権を握ってボールを動かしながらゴールにつなげた前半について、今大会の指揮を執った野田明弘コーチはこう振り返っている。

「今まで積み上げてきたものを選手たちがしっかりトライしてくれた。すべてが良い形ではなかったが、意図的な形でゴールに向かいながら点につながったシーンが見られた。良かったところが多かったと思います」。

「特に課題が多く出てきた」(野田コーチ)という後半は、村田女子の圧力に押され気味となる。ゴールに向かってボールを動かせず、自陣でボールを奪われるシーンが増加。失点以降は防戦一方となってしまった。

それでも終了間際には自陣からボールをつなぐと、最後は三谷がシュート。相手のプレスを受ける中でもスペースへボールを運び、フィニッシュに至った。相手の守備陣形を見ながらどこにスペースがあるかを見極め、しっかりと判断してボールを動かしたい。

今年1月の全日本高校女子サッカー選手権でベスト4まで勝ち上がった十文字。キャプテンの井上萌、AC長野パルセイロ・レディース入りする瀧澤千聖ら3年生がチームを引っ張っただけでなく、1年生の台頭も目立った。

油本明佳里、杉澤海星、長若奈の3人は1年生ながら4試合フル出場を果たしている。この3人に加えて、フットサルの年代別代表で国際大会を経験した安部美楽乃、十文字中学でキャプテンを務めた村田莉菜ら、1年生には好素材が目白押しだ。2年前に優勝した3年生たちが1年生だった頃を思い起こさせる。

その2年前の優勝を経験している3年生がこの春に卒業。チームとしては新たなサイクルがスタートすることとなる。

「今まで十文字として培ってきたベースのところ、”戦う・走る・競る・粘る”というのがある中で 、より個人でボールを奪う。ゴールに向かうというベースがある中で 、チームとしてよりボールを意図的に動かしながらゴールに向かっていく。そういうところを今年はより意識しながらやれればいいと思っています。そこは十文字サッカー部のベースだと思ってやらせていただいています」(野田コーチ)

1996年の創部から積み上げてきた十文字のサッカーは変わらない。これまで築いてきたベースの上に、どんなサッカーを見せてくれるのだろうか。今年も十文字から目が離せない。