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[埼玉県高校総体]無失点で準V!南稜をワンランク上のチームに押し上げた守備の安定感

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[2019.5.8 埼玉県高校総体 準決勝 南稜 2-0 本庄第一]

令和元年度(平成31年度)全国高校総体埼玉県予選は12日に決勝が行われ、花咲徳栄と南稜が対戦。2年連続で決勝に駒を進めた南稜は0-0からのPK戦に敗れ、準優勝に終わった。

花咲徳栄と南稜は昨年、高校総体と全日本高校女子サッカー選手権の埼玉県予選で対戦。それぞれ、0-7(決勝)、0-3(決勝リーグ)で南稜が敗れている。今大会は久喜、本庄第一といった強豪を退け、決勝も規定の70分までは0-0の引き分け。花咲徳栄と並び、無失点で大会を終えた。

筆者が取材した本庄第一との準決勝では、安定した守備で相手の攻撃を封殺。前半をスコアレスで折り返すと、後半に佐藤捺美(3年)が挙げた2得点を守って、2-0で勝利を収めた。

怪我人が戦列復帰し、最終ラインが安定

南稜は怪我のCB松原美雨(3年)が準決勝からスタメンに復帰。準々決勝ではセンターバックとサイドバックで併用された柏木佑月(3年)を左SBで起用した。柏木は的確な判断と競り合いの強さで相手のサイド攻撃を封じこむだけでなく、たびたび攻撃にも加わった。

「DFがしっかりと守ってくれた。左サイドが効いていたので、 最後に”なつ(佐藤捺美)”が二本決められたんだと思います」と、桒山秀家監督も話す。いい守備が攻撃の流れを呼び込んだのである。

チーム全体でもコンパクトな陣形を敷き、高い位置からプレッシャーをかけた。相手の攻撃のリズムを断ち切り、コーナーキックをわずか1本に抑えている。その1本のコーナーキック(前半23分)もMF和田千咲(3年)が蹴ったボールは、CB大西千波(3年)が頭ではね返している。

本庄第一の攻撃のバロメーターは、このコーナーキックである。それが多ければ多いほどサイド攻撃が機能していることになる。1本に抑えたということは、南稜の守備が機能していたということになる。また、サイドを破られてもGK鮎貝海空(3年)が鋭い飛び出しでチャンスの芽を摘んだ。



その守備が破られたか!という瞬間が一度だけあった。後半12分、本庄第一は左サイド(南稜の右サイド)を破ると、FW越高羽菜(3年)がゴールネットを揺らした。だがオフサイドの判定により、ゴールは認められなかった。そして南稜に先制点が生まれたのはその直後のことだった。

南稜は直後にカウンターを繰り出す。中盤からのロングボールに走り込んだ佐藤捺美(3年)が左足でゴールネットを揺らす(後半13分)。後半20分には右サイドからのクロスにふたたび佐藤が頭でねじ込み、勝負を決定づける2点目が生まれた。

南稜にとっては最も苦しい時間帯でもあった。ゴール前で相手の攻撃をはね返すことはできていたものの、奪ったボールを味方につなげることができていなかったからだ。ピンチをしのいだ直後の先制点は、南稜の選手たちの気持ちをふたたび奮い立たせたに違いない。

まさに「ピンチの後にチャンスあり」である。

★★★

「 向こうは技術がある。技術の足し算をしたら勝てないのは目に見えていますから、いかにそこのところを総力とかターンする力だとか、そういうものを使いながらディフェンスできるかというところでしょうね」

準決勝の後、そう話していたのは桒山監督だ。花咲徳栄、本庄第一の方が個々の能力では分があるのかもしれない。だが桒山監督が言う通り、チーム力で勝負できるところまでは力がついてきたのは間違いない。

準優勝は満足のいく結果ではないが、守備力の向上がチーム力を底上げした。今大会を糧として、この夏の間にどれだけ成長できるか。選手権予選での飛躍に期待したい。