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[神奈川県高校総体]下級生の成長がチームを底上げ!隙のない戦いぶりで駆け抜けた湘南学院

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[2019.5.6 神奈川県高校総体 決勝 星槎国際湘南 0-1 湘南学院]

スパイクが隠れて見えなくなるほど芝が長いピッチで行われた決勝戦。ボールの勢いが弱められてパスが通りにくく、ドリブルもやりづらい。どちらにとっても条件は同じだが、上手く適応したのは湘南学院だった。

守備では前線からプレスをかけると同時に、しっかりとパスコースに入って相手のパスを断ち切った。さらに星槎国際湘南はFW高橋沙矢香がドリブルで最終ラインの切り崩しを図る。これに対しても左SB外林花音(1年)がしっかりと付き、両CBと協力して自由を与えない。

そして前半29分、湘南学院はコーナーキックを獲得する。キッカーは石井絵真(2年)。試合前、数分だけ許されたピッチ内アップではフィットしていなかったが、最初のコーナーキックで完璧なボールをゴール前へ放つ。これをFW吉川麗(2年)が頭で合わせてゴールネットを揺らした。

「(強みにしている)セットプレーをとったら行こうと話していて、その通りになった。その後も引かずに行けた。最後まで攻め続けられたことが勝負の世界では結構大事だと思っています」(岩佐)

後半は星槎国際湘南が決定機を作りかけた場面もあったが、湘南学院の守備も崩れない。カウンター、セットプレーから追加点を狙い続けた。岩佐が話した通り、最後まで攻めの姿勢を崩さず、虎の子の一点を守り抜いた。

昨年の選手権関東大会では、3−1から終盤に3点を奪われて逆転負け。初戦敗退を喫した。この結果、今年のチームには全国大会を経験している選手がいなくなった。近年稀に見る苦しい状況からのスタートとなっている。

「勝ち進むという経験がない選手ばかりだったので、とにかくチームスタッフからこういったことが必要だということをかなりしつこくみんなに言った。その効果が選手にも出てきたところで、自分たちからやることが明確になってきた」と木村みき監督は話す。

全国を経験した選手がいないばかりか、怪我の影響でスタメンに3年生が少ない。この日、スタートからピッチに立ったのはキャプテンのMF岩佐祐美とFW伊藤香吹のふたりだけ。しかし、それを感じさせないほど2年生が率先してチームを引っ張っている。



「(2年生が)チームに声をかけてくれて、1年生がそこについていく。ベンチや応援からも、”ここ切らすな”と声をかけてくれている。そこがよかったと思います。2年生が3年生に負けずにどんどん来るので、3年生もそれに刺激を受けて絶対負けないというのが練習中からあります」(岩佐)

2年生の積極さがチームに活力を与え、一体感を生み出した。ピッチ内では積極的に声を掛け合い、ピッチの外からも声を絶やさない。誰もが人頼みにせず、それぞれの立場からゲームに関わる。タイムアップの笛が鳴るまで集中が途切れることはない。準決勝、決勝とも1−0で勝ち切り、無失点で優勝したことと無縁ではないだろう。

だがその教訓を無駄にはしていない。まだ道半ばではあるが、着実に歩みを進めている。この勢いを関東大会にも持ち込み、5年ぶりのインターハイ出場を勝ち取ることができるか。その関東大会、初戦で顔を合わせるのは花咲徳栄だ。