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[宮城県高校総体]戦列復帰の櫻庭琴乃が値千金の決勝弾、聖和学園が4年ぶり16度目の制覇!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[2019.6.3 宮城県高校総体 決勝 聖和学園 1-0 常盤木学園]

宮城県高校総体は3日、みやぎ生協めぐみ野サッカー場Aグラウンドで決勝が行われ、聖和学園が1−0で勝利。4年ぶり16度目の優勝を飾った。

聖和学園は準決勝で仙台育英を5−0で破ると、決勝では前年度インターハイ覇者で県4連覇を目指す常盤木学園と対戦。宮城県新人戦では聖和学園が勝ち、東北新人戦では常盤木学園が勝利(いずれも決勝で対戦)。代替わりしてから3度目の顔合わせとなった。


前半を無失点にしのぎ、後半は攻撃に転じる


試合は常盤木学園が主導権を握り、両サイドを使った攻撃で相手陣内に押し込んでいく。前半13分には左スペースに飛び出した沖野るせり(3年)がシュート。同30分にも沖野、齋藤綾音(2年)が続けてチャンスを迎えるが、決め切ることができない。

聖和学園はCB夏目歩実(3年)を中心とした最終ラインが踏ん張った。落ち着いて相手の攻撃をはね返しただけでなく、マイボールにしてもプレスを受けてボールを失うようなミスを犯さない。

またGK大矢内陽菜(3年)は時間を使いながらパントキックを蹴るなど、決して相手の土俵には乗らないよう細心の注意を図っていた。

前半はほとんど攻撃できず、シュートはゼロ。しかし無失点で折り返すことにより、後半は攻撃に舵を切っていく。

「今日はセカンドボールを取れなかったらゲームにならないと思っていた。ずっとそれを前半から言って、後半も続けてくれたことでリズムが出てきてシュートで終わる回数が増えた。そこが押し込めた理由かなと思っています」(曽山加奈子監督)

後半は高い位置でボールを回収し、相手陣内でプレーする時間を増やしていった。後半14分には宮田あすか(3年)のパスを受けた櫻庭が櫨川結菜(1年)とのワンツーからシュート。アタッキングサードでの聖和学園らしい崩しから決定的なチャンスを作り出す。

「最初は圧倒されてて首振りができなかったんですけど、中に入っていつも通り首振りしたら気持ちに余裕ができました」(櫻庭)。前半はボールに触る回数が少なかった櫻庭琴乃(3年)が中央でボールを受けることで、攻撃のリズムを少しずつ取り戻していく。

試合の均衡が破れたのは後半29分のことだった。ペナルティーエリア内で相手DFから櫻庭がボールを奪うと素早く反転。DFと入れ替わりすかさず右足を振り抜くと、ボールはゴールに吸い込まれていった。

「今日はプレーが全然ダメで、体が思うように上手く動かなかった。だからチームに貢献するために1点は取りたいと思っていました。あの時はゴールしか考えていなくて、(DFを)抜いた瞬間に相手が転んでたけど、撃つしかないと思っていました。(シュートの意識は)すごく強かったです。シュートシュートって思っていましたずっと。本当にシュートしか考えてなかった」

無我夢中で放ったシュートで聖和学園が先制。この得点が決勝点となり、1−0でタイムアップの笛を迎えた。



1年生が台頭する中でも存在感


櫻庭は今年1月、全日本高校女子サッカー選手権の開幕直前の怪我により欠場を余儀なくされていた。東北新人戦もメンバー外となり、本格的に復帰したのはこの大会からである。

「怪我していたわりにはよく動けていますし、今日のように点を取る力がある。引き続き、もっと上を目指して頑張って欲しいと思います」と、指揮官も期待をかける。

櫨川(日テレ・メニーナ・セリアス)、池添聖佳(FCバイエルンツネイシレディース)、柳原希帆(ACグロリアガールズU-15)、櫻井まどか(白岡SCL)。この決勝でスタメンに名を連ねた1年生4人である。

1年生の台頭はレギュラー争いを活性化し、チーム力を底上げしている。それでも、今シーズン最大の補強は櫻庭のチーム帰還であると言っても過言ではないだろう。