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[選手権東北大会]常盤木学園入りを「小学生の時から決めていた」、FW及川莉子のハットトリックで決勝へ

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[2019.10.19 選手権東北大会準決勝 常盤木学園 14-0 ふたば未来学園]

第28回全日本高校女子サッカー選手権東北大会は19日、みやぎ生協めぐみ野サッカー場で準決勝が行われた。常盤木学園(宮城①)はふたば未来学園(福島①)と対戦。14-0で快勝を飾り、22年連続22回目の全国出場を決めた。

昨晩から降り始めた雨により、ピッチのところどころに水たまりができる悪コンディション。ドリブルなどボールコントロールが難しいゲームとなったが、常盤木学園FW及川莉子(3年)の前にだけレッドカーペットが敷かれているかのごとく、何事もないようにプレーしていた。

★★★

開始早々の6分にはチームを勢いづかせる先制点を挙げた。境ひより(3年)が左サイドからクロスを送ると、球足の速いボールがゴール前に走り込んだいた寺尾星奈(3年)の前を通過。「(ピッチの)コンディション的にもボールが流れてくるのは予測していた。なるべく奥に入ろうと思ったから、予想通り来てよかった」という及川が右足ダイレクトでゴール左隅に突き刺した。

「最近ビビってばかりだった。挑戦できない自分がいたから、失敗してもいいから思い切ってやろう、楽しんでやろうと思った。水たまりがあって、得意としているドリブルが引っかかるとネガティブになったけど、でもなるべく立て直して先制点も取れたから自分のメンタル的にもよかった」(及川)

上記のように自身のプレーを振り返った及川だが、ピッチコンディションに適応しながら上手く試合に入ることでチームにも勢いを与えている。

10-0で迎えた後半34分には2点目を挙げる。またしても左サイドからのクロスに反応。今度は浮き球になったが、「胸トラがすごい上手くいった。ボールが流れないように、なるべく正面に立つようにしました」と完璧な胸トラップでボールを収め、そのままドリブルでペナルティーエリア内に侵入してゴールネットを揺らした。



筆者は一昨年、雨の影響で泥んこになったピッチで平然とドリブルする加藤ゆあ(当時は常盤木学園、現在は日体大FIELDS横浜)を見て驚いた経験があるが、加藤も及川もFCみやぎ出身である。中学時代はどんな練習をしていたのか聞いてみた。

「Fみやはグラウンドが狭いんですけど、すごいドリブルの練習ばかりしてて、細かいところで1対1みたいな練習が多かった。自分はそれをやっててよかったなと思っています」

スピードに乗ったドリブル突破が持ち味の及川。コンディションが良くない中で苦もなくプレーすることで、高い技術を兼ね合わせたプレーヤーであることを証明してみせた。常盤木学園は夏以降、中盤でワンタッチのパスなどを交えた連携で崩すことを意識している。そうしたプレースタイルにも及川のプレーは合っているようだ。

「つないでくれる分、(相手DFと)駆け引きをできる時間がある。蹴って走ってよりは、ひとつ自分で駆け引きを入れて、相手と距離を置かないと小さいから潰れちゃうので、その時間ができるのはやりやすい部分ではあります」

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FCみやぎは常盤木学園が参戦しているプレナスチャレンジリーグで同チームの下部組織として登録され、U-15プレナスなでしこアカデミーカップに参戦している。

現在のチームにも加藤愛、武田悠など5人が同クラブの出身。卒業生にも石垣穂乃華(大東文化大学)、高橋果歩(順天堂大学)、佐々木涼花(山梨学院大学)など多くの選手が常盤木学園に進んだ。そんな先輩たちの後を追った及川は、小学生の頃から常盤木学園でプレーすることを夢見ていたという。

「小学生の時から常盤木に入ることを決めていたんですけど、その時から選手権の映像ばかり見ていた。決勝のピッチに立てるように、優勝できるように頑張ります」と意気込みを語った。