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[静岡県新人戦]藤枝順心が17連覇!齊藤桃花が好守を見せた東海大翔洋のゴールをこじ開ける

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

決勝点をあげた齊藤桃花(左)と得点につながるシュートを放った柳瀬楓菜(右)が喜ぶ。 決勝点をあげた齊藤桃花(左)と得点につながるシュートを放った柳瀬楓菜(右)が喜ぶ。

[2020.2.2 静岡県高校新人戦 決勝 藤枝順心 1-0 東海大静岡翔洋]

静岡県高校新人女子サッカー大会は2日、藤枝総合運動公園サッカー場で決勝が行われ、藤枝順心と東海大静岡翔洋が対戦。藤枝順心が1ー0で勝ち、連覇を「17」に伸ばした。

準決勝で常葉大橘を3−1で下した東海大静岡翔洋を迎え撃った。前半は前からの積極的な守備、後半も自陣ゴール前で粘り強く守った東海大翔洋に苦戦する。延長戦突入が散らついてきた後半27分、途中出場の齊藤桃花(2年)がゴール前の混戦から押し込み、ゴールをこじ開けた。

「(得点を)もっととりたかった。課題がもうありすぎです。勝ったけどここで油断せずにもっと上に行けるようにしたい」と、ゲームキャプテンを務めた柳瀬楓菜(2年)は気持ちを引き締める。



「前半はサイドを崩しても中が一枚しかいなかった。あれだとピンポイントで合わせるのも難しいし、遠めでシュートを撃つしかなくなってしまう」と、藤枝順心の多々良和之監督は攻撃を組み立てられなかった前半を振り返る。

いい形で試合に入ったのは東海大翔洋だった。機動力のあるFW青木若葉(2年)と黄瑠夏(2年)が高い位置からプレスをかけ、中盤も連動。藤枝順心のパスワークを封じこめ、高い位置でボールを奪って攻撃に転じていく。

ビルドアップに苦心していた藤枝順心だったが、粘り強く攻撃の糸口を探っていく。切り込み役となったのは左SH斉藤花菜(1年)だ。積極的にボールを呼び込み、ドリブルで前進する。だがDFのマークをなんとか振り切っても、ゴール前で合わせる味方がいない。全体を押し下げられて守備に奔走する選手が多く、ゴール前には枚数をかけられなかった。

最初の決定機が生まれたのは前半31分。CKから堀内意(1年)が速いボールを入れると、鈴木杏梨(2年)を経由して、柳瀬がゴール前に飛び出す。だがこのシュートは東海大翔洋GK淺井絵里香(2年)がブロック。その3分後には鋭い切り返しでDFを振り切った斉藤花がシュートに持ち込むが、GK淺井がパンチングで枠外に逃れた。

決勝点の場面で左サイドからクロスを放った斉藤花菜。 決勝点の場面で左サイドからクロスを放った斉藤花菜。

スコアレスで折り返した後半、藤枝順心は鈴木に代わってFW齊藤桃花(2年)を投入する。ここまで2試合連続で得点している齊藤桃は、相手DFラインにプレッシャーをかけていく。攻めては左右に動いてボールを受け、味方とのコンビネーションを構築した。前線を精力的に動くことにより、藤枝順心の攻撃は厚みを増していく。

後半16分には柳瀬が倒されて得たFKをキッカーの堀内が直接狙ったが、またしてもGK淺井が好セーブで枠外にはじき出す。その4分後には左右に揺さぶりをかけ、柳瀬のクロスに齊藤桃が頭で合わせるが、これもGKの守備範囲だった。

ようやく試合が動いたのは後半27分。CB宮本仁奈(2年)がロングボールを放つと、これに呼応した斉藤花がスペースに走り込む。ここまで再三に渡ってサイドを切り崩してきた斉藤花が放った渾身の左足クロス。GK淺井も触れなかったが、これで終わりではない。

今度はCB西原杏音(2年)が必死のディフェンスでかきだすと、そのこぼれ球を柳瀬が詰める。このシュートもふたたび西原が身を呈して防いだが、最後は齊藤桃が右足を振り抜き、ゴールネットに突き刺した。待望の先制点が決勝点となった。



「全国を経験してる選手はそれなりの活躍ができていたと思うが、それ以外の選手がまだまだ」と、多々良監督は課題をあげる。

この日のスタメンのうち、選手権決勝でもスタメンに名を連ねていたのは4人(宮本、柳瀬、斉藤、堀内)。5試合全てに先発したのは柳瀬ひとりである。準々決勝・日ノ本学園戦で負傷交代した井出ひなた(1年)が務めるセンターバック。前後半で交代したセンターフォワードなど流動的なポジションも多いが、多々良監督は右サイドバックにも言及している。

「サイドバックで器用な選手が今回のチームにはいない。去年は浅野がサイドバックやった時に、ボランチの位置に入ってツーボランチみたいな形になったりできた。縦に動くだけじゃなくて、中盤の役割を果たすようなサイドバックがいれば、そういうことも可能になってるんですよ」

3年生の浅野綾花はボランチ、右サイドバック、センターバックなど複数ポジションでプレーする。試合状況に応じてポジションを移し、求められた役割を高いレベルで全うできる。派手なプレーで勝利に導くわけではないが、藤枝順心には欠かすことの出来ない優勝の立役者のひとりである。

そのような選手が一夜にして現れることはないが、新チームはまだ立ち上がったばかり。ここからインターハイ、選手権にかけてどのような選手が台頭し、いかにチームが進化していくのか期待したい。