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[皇后杯]格上相手に「成長した姿を見せた」日ノ本学園、2−4で敗戦も延長に持ち込む

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[2020.11.28 皇后杯1回戦 NGUラブリッジ名古屋 4-2 日ノ本学園高校]

皇后杯 JFA 第42回全日本女子サッカー選手権大会は28日、1回戦8試合を行った。高円宮記念JFA夢フィールドではNGUラブリッジ名古屋と日ノ本学園高校が対戦。0−2から追いつき延長戦に持ち込んだ日ノ本学園だったが、延長に2失点を喫して2−4で敗れた。

風下に立った前半はシュート数を比較しても3対9と劣勢だった。不利な状況下ではあったが、積極的な守備で社会人相手に喰らいついていく。

10分には前線の嶋田華、栗田そらが相手DFラインにプレスをかけ、狙いを定めた山田瑞穂が中盤でパスカット。パスを受けた小鍛冶旭がシュートに持ち込んだ(DFがブロック)。

17分にもフォワードの追い込みから相手の縦パスを右SB沖田有由がインターセプト。沖田がそのままボールを運び、栗田を経由したボールを山田がシュートする。ボールの勢いがなく、GKにキャッチされたが、決定的な場面を作り出している。

「皇后杯はプロのチームも参加しているので、自分たちがどこまでできるのかを試される。前からプレスをハメられている部分もあって、そこはチームの武器となる」と、キャプテンの山田は自信を示す。

「今年はアグレッシブなスタイルで行こうと言っている。それがここ数試合で完成度としてはかなり上がってきた。共通理解と共通認識はすごく増えてきたと思います」。今シーズンから就任した村上裕子監督も手応えを口にする。

ファーストディフェンスから2人目、3人目と連動したプレッシング。コースを限定する前線の動きに対して、ボール奪取の狙いを定める中盤や最終ライン。そうした動きを単発で終わらせることなく、チーム全体で連続してやり続けた。

プレスを受けて放たれたロングボールが風に乗り、ゴールラインを割ったり、GKがキャッチする場面もあるなど、逆風が味方するシーンもあった。前半2失点したものの、ポゼッションしたい相手から守備で主導権を握れたことは自信となったに違いない。

後半、日ノ本学園は田中晴菜(HT)、菅森杏(66分)、篠田帆花(79分)を次々と投入。「一気に小ぶりになったと思うんですけど」と村上裕子監督が語る通り、身長150㌢台と小柄だが、ドリブルやスピードを持ち味とする選手たちをピッチに送り込んだ。

迎えた80分、ついに試合を振り出しに戻す。立役者は篠田。味方のスローインに反応してペナルティーエリアに走り込むと、これが相手のファールを誘ってPKを獲得。自らPKスポットにボールを置いた篠田が右足を振り抜いたシュートは、名古屋GK都倉瑠里の足に防がれたが、こぼれ球を左足で押し込んだ。79分に交代出場した篠田はこれがファーストプレーだった。

「スピードがあったりテクニックがあったり、うちは特長がある選手が多い。PKをもらった時もその選手(篠田)の一番得意としている仕掛けの所でのPKをもらった。それぞれの特長をどう生かすかというところに関して、自分自身をよく理解してプレーしてくれた」と、村上監督も褒め称える。そして次のように語り、締めくくった。

「ここ数試合で、夏までずっとフォワードをやっていた選手を1つ下で使ったり、サイドの選手を中で使ってみたりした。まだまだ冬に向かっていくには試したり合わせたりする作業が必要だと思うんですけど、今日の試合で私としても収穫があったかなと思います」

前半は栗田、嶋田らフィジカルに優れ、ボールを収められる選手を起点に攻撃を構築。後半は篠田、菅森らが1対1で勝負した。前線の選手起用には複数のオプションがあり、競争の激しさがうかがえる。

筆者は今シーズン初めて日ノ本学園を取材したので、いつもとは異なるポジションで試された選手についてはわからない。しかし、この日も嶋田は右フォワードからインサイドハーフ、菅原眞名はボランチからセンターバックへポジションを移している。

選手権開幕まで1ヶ月余り。成長の余地はまだまだありそうだが、いかに仕上げてくるのか。初戦は1月3日、相手は専大北上だ。