[選手権東北大会]横山紗也がリベンジの2得点、常盤木学園が東北3位で全国へ
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常盤木学園(宮城②)は11月1日、尚志(福島①)との3位決定戦に3−0で勝ち、東北第3代表として本大会出場を決めた。
崖っぷちからつかんだ23年連続23回目の出場権だった。
専大北上との準決勝では、前半3分にコーナーキックから失点。高塚映奈(1年)と川村萌々(3年)のゴールで逆転したが、逆転から3分後に同点ゴールを許した。2−2からのPK戦では先攻の常盤木学園・5人目のキッカーが失敗すると、後攻の専大北上が成功。4−5で敗れている。
その準決勝から木村莉捺(2年)、前田郁美(2年)、佐藤かえで(1年)に代えて、齋藤千夏(3年)、横山紗也(3年)、長谷川柚葉(3年)が先発。メンバー登録されていたすべての3年生をスタメンで送り出し、背水の陣を敷いた。
試合が動いたのは前半終了間際の39分。岸田あかり(3年)が蹴ったコーナーキックに齋藤綾音(3年)が頭で合わせると、こぼれ球を横山が詰めて常盤木学園が先制する。
後半開始早々の6分にはふたたび岸田のコーナーキック。「(岸田)あかりは毎回いいボールを蹴ってくれる。いいところに来たので合わせるだけでした」と振り返った横山が、絶好のボールを渾身のヘディングシュートでゴールに叩き込んだ。
2得点した横山は並々ならぬ覚悟でこの試合に臨んでいた。そのことは筆者も想像していたが、理由を聞くつもりはなかった。すると彼女の方から話し始めた。
「昨日、自分がPK外しちゃって、阿部先生からも”つらいなら今日は出なくてもいいぞ”と言われた んですけど、戦わせてくださいと言って出させてもらった。強い気持ちで試合に臨めたので、その気持ちをずっと試合で持てていた。この得点にもつながったと思います」
前日の準決勝、横山は後半アディショナルタイムに途中出場している。PK戦を見据えて3年生を投入されたのだろう。しかし、緊迫した展開で試合に慣れる時間が足りなかったことは情状酌量の余地がある。
PK失敗を責めるものはいない。それでも選手としては責任を感じるものだ。試合に出ないという選択肢もあったが、横山は結果と向き合い、戦うことを決めた。結果はチームを全国に導く2得点。逃げずに得たものは大きかった。
「得点を決められたのは良かったんですけど、それ以外のプレーではパスが乱れたり、1対1で勝てなかった。守備は昨日も2失点しちゃったのでもっと連携できるように基盤を作っていきたい」。
結果は残したが満足はしていない。東北大会で苦しんだ借りは、必ず全国で返すつもりだ。