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[めぬまカップ]偉大な先輩に追いつき追い越せ!”意識改革”をテーマに再出発した湘南学院

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

湘南学院は新チーム最初の大会となるはずだった県新人戦(※1)の出場がなくなり、第27回選抜高校女子サッカー大会「めぬまカップ」in 熊谷が初めての大会参加となった。

新型コロナウイルスの影響で新1年生は合流せず、新2、3年生13名がエントリーしたもののふたりが怪我でプレー不可能に。残りの11人で3日間の大会に臨んだ。

「(春休みは)底上げをする期間で新入生を迎える前にちゃんと湘南のサッカーの土台作りをしていこうと、地道にずっと練習あるのみだった」と、木村みき監督は話した。



大会2日目。湘南学院は文京学院をPKの末に下すと、松商学園にも1−0で勝利。4チームによるトーナメントで1位となった(試合は30分ハーフ)。

文京学院との1回戦は2度の勝ち越し点を奪われる苦しい展開。開始早々の3分に失点すると、その1分後に宍倉由麻(新3年)のゴールで試合を振り出しに戻す。1−2で迎えた42分には左サイドから上野彩也那(新2年)が放ったロングシュートがゴール右隅に決まる。

2−2で迎えたPK戦で存在感を放ったのはGK布留川こころ(新3年)。文京学院2人目のシュートを横っ飛びで止めると、さらに5人目のシュートを指先ではじいて枠外へ。4人全員が成功した湘南学院が4−3で制した。

松商学園との決勝戦では前半17分に利光由衣(新2年)が右サイドから鮮やかなミドルシュートを放ち、ゴールネットを揺らす。追加点こそ奪えなかったものの、主導権を握りながら1−0で完封勝利を収めている。

シュートを放つ湘南学院のキャプテン・増茂菜波。チーム一のテクニックを誇り、左右両足から決定機を演出する。 シュートを放つ湘南学院のキャプテン・増茂菜波。チーム一のテクニックを誇り、左右両足から決定機を演出する。

この春に卒業した昨年の3年生がほとんどのポジションでレギュラーを務めていた。そこに割って入ってポジションを掴んでいたのが新キャプテンに就任した増茂菜波と、外林花音・豊村佳音のセンターバックコンビ。この3人とGK布留川を含めたセンターラインがチームの軸となる(いずれも新3年)。

増茂とダブルボランチを形成する小川ゆきの(新2年)は身長150㌢と小柄だが、中盤からゴール前までアップダウンを繰り返す運動量があり、当たり負けしない気持ちの強さも兼ね備える。

チームの生命線といえるサイド攻撃を担うは上野と利光だ。上野はFWとして起点になることを木村監督から期待され、利光は今大会DFとして登録されている。今後のポジションは流動的だが、この日は両サイドで起点となり得点もマークするなど攻撃を担う存在となりそうだ。

「昨年の先輩を越えるための意識改革」が今年のテーマ。

前述した通り、昨年の3年生は1、2年生から試合に出ていた選手が多く、選手権では8人がスタメンに名を連ねた。怪我で戦列離脱していたキャプテンの中道はなを含めれば9人が主力を務めていたことになる。

ただ試合に出ていたわけではない。ひとりひとりが自覚を持ち、リーダーシップを取れる。2年時からそれを発揮していた。全国出場経験者がいない中で予選を勝ち抜き、4年ぶりの選手権出場を勝ち取れたのは、それらをチーム力として結集された結果である。

頼もしい先輩たちに支えられながらプレーしてきた新3年生だったが、今度は自分たちが経験のない選手たちを支える側となった。立場が変わることであらためて、先輩たちの偉大さを実感しているという。

「(選手たちが)偉大だと感じている先輩を越えることが目標。選手としての自覚の部分を変えなければいけないということで、意識改革をテーマにしています。この1ヶ月ぐらいでも顔つきがかなり変わってきた」と、木村監督は選手の成長を実感しているという。

先輩たちが残したものを受け継ぎ、自分たちのものにしようと取り組んできた3月が終われば新1年生も合流する。湘南学院の新たな挑戦がここから始まる。