[めぬまカップ]偉大な先輩に追いつき追い越せ!”意識改革”をテーマに再出発した湘南学院
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新型コロナウイルスの影響で新1年生は合流せず、新2、3年生13名がエントリーしたもののふたりが怪我でプレー不可能に。残りの11人で3日間の大会に臨んだ。
「(春休みは)底上げをする期間で新入生を迎える前にちゃんと湘南のサッカーの土台作りをしていこうと、地道にずっと練習あるのみだった」と、木村みき監督は話した。
大会2日目。湘南学院は文京学院をPKの末に下すと、松商学園にも1−0で勝利。4チームによるトーナメントで1位となった(試合は30分ハーフ)。
文京学院との1回戦は2度の勝ち越し点を奪われる苦しい展開。開始早々の3分に失点すると、その1分後に宍倉由麻(新3年)のゴールで試合を振り出しに戻す。1−2で迎えた42分には左サイドから上野彩也那(新2年)が放ったロングシュートがゴール右隅に決まる。
2−2で迎えたPK戦で存在感を放ったのはGK布留川こころ(新3年)。文京学院2人目のシュートを横っ飛びで止めると、さらに5人目のシュートを指先ではじいて枠外へ。4人全員が成功した湘南学院が4−3で制した。
松商学園との決勝戦では前半17分に利光由衣(新2年)が右サイドから鮮やかなミドルシュートを放ち、ゴールネットを揺らす。追加点こそ奪えなかったものの、主導権を握りながら1−0で完封勝利を収めている。
シュートを放つ湘南学院のキャプテン・増茂菜波。チーム一のテクニックを誇り、左右両足から決定機を演出する。
増茂とダブルボランチを形成する小川ゆきの(新2年)は身長150㌢と小柄だが、中盤からゴール前までアップダウンを繰り返す運動量があり、当たり負けしない気持ちの強さも兼ね備える。
チームの生命線といえるサイド攻撃を担うは上野と利光だ。上野はFWとして起点になることを木村監督から期待され、利光は今大会DFとして登録されている。今後のポジションは流動的だが、この日は両サイドで起点となり得点もマークするなど攻撃を担う存在となりそうだ。
「昨年の先輩を越えるための意識改革」が今年のテーマ。
前述した通り、昨年の3年生は1、2年生から試合に出ていた選手が多く、選手権では8人がスタメンに名を連ねた。怪我で戦列離脱していたキャプテンの中道はなを含めれば9人が主力を務めていたことになる。
ただ試合に出ていたわけではない。ひとりひとりが自覚を持ち、リーダーシップを取れる。2年時からそれを発揮していた。全国出場経験者がいない中で予選を勝ち抜き、4年ぶりの選手権出場を勝ち取れたのは、それらをチーム力として結集された結果である。
頼もしい先輩たちに支えられながらプレーしてきた新3年生だったが、今度は自分たちが経験のない選手たちを支える側となった。立場が変わることであらためて、先輩たちの偉大さを実感しているという。
「(選手たちが)偉大だと感じている先輩を越えることが目標。選手としての自覚の部分を変えなければいけないということで、意識改革をテーマにしています。この1ヶ月ぐらいでも顔つきがかなり変わってきた」と、木村監督は選手の成長を実感しているという。
先輩たちが残したものを受け継ぎ、自分たちのものにしようと取り組んできた3月が終われば新1年生も合流する。湘南学院の新たな挑戦がここから始まる。