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[宮城県高校総体]”2強”に風穴を空けた仙台大明成の指揮官、落合恵監督が就任から変わらないこと

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

令和3年度 宮城県高等学校総合体育大会で準優勝の成績を収めた仙台大明成。昨年、11月の県新人戦では準決勝で常盤木学園、決勝で聖和学園を下して初優勝を飾った。ここ数年、県内では決勝の舞台を独占してきた常盤木学園・聖和学園の間に割って入り、絶対的な二強を脅かす存在となった。

FW武田菜々子(マイナビ仙台レディース)を擁してインターハイに初出場(2017年)してから4年。部員は過去最多の37名となり、多くの女子中学生の選択肢にも仙台大明成が入れられるようになってきている。

部員が増えただけではない。今大会は1年生ながら出場機会をつかむ選手も多く、レギュラー争いが活発化。個々の能力を最大限に活かすための戦術的な幅も広がり、準決勝では練習の成果をピッチで表現することにも成功した。

「練習は守備がメイン。8割くらい守備をやっている」。就任2年目だった当時、落合恵監督はそう語っていたが、チームは着実に進化を遂げている。新型コロナウイルスの影響で十分な練習を積むことが出来ていなかったが、ここからの積み上げにも期待したい。



一方、落合監督が就任以来、変わらず続けていることがある。それは試合前、選手一人ひとりと握手をしながら言葉をかけてピッチへ送り出すこと。

「しっかり1対1で向き合って話がしたい。ここがポイントだよというのを自分の口から伝えてから送り出したい。監督から言葉をかけられて送り出してもらえるのは、自分が選手だったらちょっと心強いんじゃないかと思う」と、落合監督はその理由を語る。

筆者はこの光景を就任当初から見ている。握手する瞬間、監督と向き合う選手のキラキラした瞳、ホッとしたような表情が印象に残っている。監督が選手とコミュニケーションをとる方法は様々だが、落合監督の振る舞いからは選手への溢れんばかりの愛情が感じられるのだ。

もちろん時には、監督と話しをしたくないこともあるだろう。それでも「いいから話を聞いてくれと、送り出したい」(落合監督)のだという。

キャプテンの馬場彩海(3年)も指揮官の言葉に勇気づけられたひとり。2年前、公式戦初戦の相手が常盤木学園だったという。「みんな大きくて強い部分もあったけど、"安心して行っておいで"と先生の一言で安心して試合ができた」と、当時を振り返る。今では「エンジンかかります」と語り、押しも押されもせぬ攻撃の大黒柱に成長を遂げた。

教え子の手のひらを握る手に想いを込め、言葉で背中を押してピッチに送り出す。そんな指揮官の言葉を胸に刻んでピッチに立つ選手たちの次なる目標は「選手権初出場」。それはつまり、宮城の高校女子サッカーの歴史を変える挑戦でもある。