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[高校総体]全員守備で守った虎の子の一点。前橋育英が3年ぶりに全国勝利をつかむ

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[全国高校総体1回戦 常盤木学園 0-1 前橋育英]

前橋育英は2018年のインターハイでベスト4入り。この大会以降、選手権も含めて全国大会では4大会連続で初戦敗退を喫していた。その流れに終止符をうち、3年ぶり(5大会ぶり)に初戦突破を果たした。

令和3年度 全国高等学校総合体育大会は18日、1回戦8試合が行われた。日東シンコースタジアム丸岡人工芝グラウンド北コートでは、常盤木学園(東北①/宮城)と前橋育英(関東②/群馬)が対戦。前半21分に加藤満久花(2年)が挙げた先制点を守りきり、前橋育英が1−0で勝利を収めた。



序盤は一進一退の攻防となった。たがいに両CBをはじめとする4バックが堅く、攻撃の起点を作らせない。それでも中盤の攻防を制したチームがサイドを突き、コーナーキックからゴールを窺う。常盤木学園は4本、前橋育英も2本のコーナーキックを獲得するが、得点には繋げられなかった。

試合が動いたのは21分。岩渕柚月(1年)のスルーパスに大澤百夏(3年)が反応。このボールに走り込んだ大澤がシュートに持ち込むが、素早い予測で飛び出してきた常盤木学園GK西川佳那(3年)に阻まれる。

こぼれ球を収めた大澤は冷静な判断でパスを選択する。ラストパスを受けた加藤満久花(2年)が右足で流し込み、先制点を手にした。

「始まる前からみんな緊張していて、最初に決めてみんなを楽にさせなきゃなという思いが強くあった。早い段階で得点できて、自分がやらなきゃいけないことが出来たと思いました」。ゴールを演出した大澤は、キャプテンとしての責任感を口にした。

センターバックと中盤の選手で常盤木学園の選手を囲い込む。 センターバックと中盤の選手で常盤木学園の選手を囲い込む。

キャプテンの想いにチームも奮起する。チーム一丸となって、勝利を手繰り寄せていく。

最大のピンチは先制点の8分後。常盤木学園は高塚映奈(2年)が倒され、FKを獲得する。ゴール正面、ペナルティーエリア手前。絶好の位置だった。

キッカーの菊地莉央(2年)が右足を振り抜くと、鋭い弾道のシュートがGKの頭越しを強襲。ゴールに吸い込まれたかに見えたボールは、前橋育英GK古賀あかね(3年)が力強く枠の外へとはじき出した。

後半立ち上がりは常盤木学園がペースをつかんだかに見えた。中盤の攻防を制すると、奪ったボールをサイドに展開して切り崩しを図った。

「サイドバックがスピードを止めて、サイドハーフがプレスバックして、センターバックはカバーの意識を持って。とにかくスピードに乗らせないことを意識して対応した」(大澤)

前橋育英は常盤木学園のストロングポイントであるサイド攻撃を封じ込めた。さらには新出翼(3年)と松本和笑(3年)のセンターバックコンビが縦に入ってくるボールをインターセプトするなど、前線に起点を作らせなかったこともサイド攻撃を機能させない要因となったに違いない。

「センターバックが釣り出されて裏のスペースが空いたときに、インナーハーフが戻って取り切ったりとか、前の選手も後ろまで戻って全員で守ることが出来た」と大澤が語るとおり、チーム全体が守備の意識を高め、付け入る好きを与えない。後半、常盤木学園のシュートを3本に抑え込み、逃げ切りに成功した。

2回戦の相手は神村学園(九州②/鹿児島)に決まった。2年前のインターハイではPKの末に敗れている。相澤希、関根実咲、木村藍など、その試合に出場していた選手たちも今大会のメンバーに名を連ねる。

「(今日、勝った)自信が過信にならないように。いい雰囲気で2回戦も突破して、一戦一戦を大事に戦って、優勝を獲れれば一番いいかなと思います」と大澤。まずはリベンジ、そして一戦一戦を勝ち抜いて頂点を目指す。