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[高校総体]「結果で恩返しがしたい」、開催地出身のエース・窓岩日菜の先制点で藤枝順心が初戦突破!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[全国高校総体1回戦 藤枝順心 1-0 日本航空]

5年ぶり2度目の優勝を狙う藤枝順心(東海①/静岡)。大会ファーストゴールは、やはりこの人だった。選手権得点王、そして地元・福井出身のエース・窓岩日菜(3年)である。

「かわいがってもらった、お姉ちゃんみたいな存在です。試合前に、”頑張って!”と直接言ってもらったので、その言葉も励みになりました」。試合前、中学時代の先輩である福井丸岡RUCKのフットサル日本女子代表 北川夏奈の激励を受けた。

慕っている先輩からの言葉が力を与えたのだろう。試合はいきなり動いた。前半4分、左サイドを持ち上がった山田歩美(2年)がセンタリング。このボールはDFにクリアされるが、こぼれ球を拾った久保田真生(1年)が窓岩にパスをする。

この試合のファーストタッチだった。「カバーは見えたんですけど、最初は撃って終わろうと思った」と、窓岩は右に持ち出して、振り向きざまに右足を振り抜く。相手GKの頭上を撃ち抜く、豪快なシュートがゴールに突き刺さった。

この得点が決勝点となり、試合は1−0で日本航空(関東③/山梨)に勝利。藤枝順心は2回戦に駒を進めた。



敵のチェックを受けながらドリブルで突き進んでいく。 敵のチェックを受けながらドリブルで突き進んでいく。

窓岩は福井丸岡RUCKの下部組織出身。トップチームは日本女子フットサルリーグに所属し、フットサル日本女子代表を幾人も輩出する名門だ。

自身も中学3年時に全日本U-15女子フットサル選手権大会でキャプテンとしてチームを率い、優勝を経験している。U-15チームではサッカーの大会にも出場しており、この日の試合会場「日東シンコースタジアム丸岡」は練習会場だった。

「サッカーでも日本一の景色を見たい」

大半の選手がその後もフットサルを続けるなか、窓岩はサッカーを選択。高校女子サッカーの名門・藤枝順心の門を叩いた。道は違えたが、フットサルの経験はサッカーにも活かされている。

後半33分、DFふたりにマークを受けながらドリブルで進み、ペナルティーエリア手前からシュートを放つ。敵と対峙しても勝負を厭わず、巧みなテクニックで相手を翻弄してみせた。

ボールを扱う技術はもちろんだが、「フットサルで培ってきた狭いところのプレーは今も活かされています。判断力とか、攻守の切り替えも速いスポーツなので、そういう部分で助かっています」。切り替えがないほどに素早い切り替えを追求する藤枝順心には欠かせない選手のひとりとなっている。

越境留学した高校のキャプテンとして、地元福井、そして中学時代にプレーした丸岡で開催される大会に戻ってくる。またとない機会を得た窓岩。この大会に向けた決意を次のように語っている。

「得点とか結果でしか(恩を)返せないと思う。無観客試合にはなってしまいましたが、地元福井での開催だからこそ日本一を獲る姿をたくさんの方々に見せたい」。目標は優勝ただひとつだ。