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[高校総体]「自分が潰れたらチームが終わる」、神村学園の中盤を支えたMF川浪実歩が決勝点!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[全国高校総体決勝 藤枝順心 1(延長)2 神村学園]

90分間にわたる激闘にケリをつけたのは、いっときも足を止めることなくチームを支え続けた6番だった。

延長前半9分。神村学園(九州②/鹿児島)味方ゴールキックを愛川陽菜(3年)が収めて左にはたくと、左SB古川陽菜(3年)がスペースを駆け上がる。さらにその古川を追い越してパスを受けたのが6番の川浪実歩(3年)だ。

DFをかわして顔を上げるとゴールが見えた。思い切って右足を振り抜いたシュートは追い風にも乗り、ゴールに吸い込まれていった。「最後、足を振り切って、結果的にゴールにつながってよかったです。狙ってはいなくてたまたま入ったシュートなんですけど、そこに勝ちたいという思いがあった」(川浪)。今大会初ゴールがチームを優勝へ導く決勝点となった。



決勝点の場面、DFをかわしてシュートを放つ川浪。 決勝点の場面、DFをかわしてシュートを放つ川浪。

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チームは今年からシステムを4−3−3に移行。川浪は中盤の底、アンカーをまかされた。最終ラインの前で守備のバランスをとり、攻撃ではトップ下の愛川、田上歩実(3年)ら前線の選手をサポート。チームの根幹を左右する重要なポジションを担っている。

守備ではDFラインの前で敵の起点をつぶし、ディフェンダーと協力しながらペナルティーエリアに侵入してくる相手を抑え込む。左右のスペースを埋めることにも奔走した。

前線からの守備でラインを押し上げれば、それに呼応して中盤でボール奪取を狙い、攻撃の起点にもなった。頭と体をフル回転させ、ピッチを駆け回り続けた。連戦の末の延長戦で体力も限界に近づいてはずだが、決勝点の場面ではそんなことを微塵も感じさせないスプリントを見せた。

「アンカーというポジションをまかされているなかで、自分がつぶれてしまったらチームが終わるということは頭に入れていた。それを意識して最後まで走りきろうという思いが結果につながったと思います」(川浪)。

次は選手権。否が応でも夏冬連覇への期待は高まるが、優勝しても浮足立つことはない。「優勝ではなくて、インターハイで自分たちがやってきた一戦必勝というところで、目の前の試合を勝つというところを意識して、ひとつひとつ勝ち上がっていきたい」。1試合ずつ力を出し切ったその先に優勝という結果があることを川浪はイメージ出来ているに違いない。

アシストした古川と得点した川浪が喜びを爆発させる。