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[選手権予選]絶対エースから守護神へ華麗なる転身、最後方から聖和学園の攻撃を支えるGK石黒彩乃

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

選手権宮城県予選準決勝 聖和学園 4-0 仙台大明成]

敗れれば第1回大会からの選手権連続出場記録が途切れるというプレッシャーのかかる一戦。安定感のあるプレーで1回戦につづく完封勝利に貢献したのが、GK転向わずか3年目の聖和学園の守護神、石黒彩乃(3年)である。

中学時代は秋田L.F.C.でプレーした。中2で10番を背負って出場した全日本女子ユース(U-18)サッカー選手権では、1回戦でジェフ市原・千葉レディースU-18に1-10で敗戦。初戦敗退を喫したが、この試合で一矢報いるゴールを決めたのが石黒である。0−2で迎えた15分、ペナルティーエリアの外から強烈なミドルシュートを突き刺している。



この大会で優勝を飾り、3年後には6人のWEリーガーを誕生させたチームから中学生がゴールを奪ったのだ。FWとしての未来を期待されるのが当然だが、聖和学園に入学するとすぐにGKへの転向を打診されたという。

「4月の最初に怪我してしまった。ちゃんと復帰したのが12月ぐらい。そこからGKとして聖和のゴールを守って、全国大会で優勝することをリハビリのときからずっと思ってやっていました。怪我したのがきっかけのひとつなのかもしれないです」

入学して間もない時期に左肩を脱臼して手術することとなり、戦線離脱を余儀なくされた。フィールドプレーヤーにまったく未練がなかったわけではないが、このリハビリ期間にGKとして専念する覚悟を決めた。

身長167cmという恵まれた体格、スピード、キック力。FWとしてのストロングポイントは、そのままGKとして大成するためのポテンシャルに変わったのである。チームスタッフの話によれば、正確には中学時代に参加した練習体験の時にはGK転向を勧めていたという。

「やっていくうちに、GKの楽しさとかやりがいを感じた。GKとして聖和のゴールを守るという想いがだんだん強くなっていった」。転向当初はGKとフィールドプレーヤーを兼任していたが、徐々にGKの面白さに目覚めていく。

「(今までは)シュートを決めるほうだったから、逆にシュートを決めさせたくないという気持ちが強い。駆け引き、1対1の対応でGKにこれをされたら嫌だということをやることもあります。失敗もしました。そこで何がだめだったかを把握して、次に活かしていった」。失敗するたびに熟考をかさね、自身の成長につなげていった。

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1対1に加えて、スピードを活かした裏への対応も自信を持っている。「カバーをして、前で取り切れることは強みだと思います」。パスサッカーを展開する聖和学園にとって、背後への不安は常につきまとう。スペースに出されたボールに対して、スピードを活かして対応することで聖和学園の攻撃的なスタイルを支えているのだ。

パスサッカーが代名詞の聖和学園だが、実はGKの育成にも定評がある。12日に開幕したWEリーグ、大宮アルディージャVENTUSに所属する今村南海。そして、曽山加奈子監督は日テレ・ベレーザでプレーした経験を持つ。しかもふたりとも高校入学後にフィールドプレーヤーからGKにコンバートされている。

10番を背負って全国のピッチに立ってから3年、今度は1番をつけて全国のピッチに立つことを目指して、常盤木学園との決勝、そして出場権を獲得した東北大会に臨む。