[選手権東北大会]ノースアジア大明桜が2年ぶり初戦突破!課題残すも練習で積み上げた成果を表現する
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第30回全日本高等学校女子サッカー選手権大会東北大会は16日、多賀多目的運動場(青森県八戸市)で1回戦が行われ、ノースアジア大学明桜(秋田)が桜の聖母学院(福島②)に1−0で勝利した。
2年ぶりの初戦突破。また今年は新人戦、インターハイ、皇后杯の東北大会で初戦敗退を喫しており、消化が1試合の東北リーグでも敗れている。今年度のチームとしても東北大会初勝利となった。
今年はコロナ禍の影響により県外への遠征に制限がかかり、東北女子サッカーリーグは1試合しか消化できていない。積み重ねてきた練習の成果をピッチで表現することが出来たのが前半なら、実戦経験の少なさが表れてしまったのが後半である。

試合の入り、相手のコーナーキックをしのぐと、前半11分、明桜にコーナーキックのチャンスが訪れる。キッカーの東海林莉桜(3年)が右足を振り抜くと、ボールはゴールネットに吸い込まれ、歓喜の輪が広がった。
「6月からずっと”連続性”というテーマで、攻撃と守備の連続をコンパクトにしようとトレーニングをやってきた。それが浸透して、上手く出ていた」と菊池祐太監督が話すとおり、明桜は先制後も攻守においてキビキビと動いた。
攻撃では前線の選手がポジションチェンジを繰り返しながらボールを引き出し、パスやドリブルからのスイッチなどコンビネーションを使って崩しを図る。
「高校総体では自分が固定された場所でしか動けなかった。もっとスペースに侵入していくとか、空いたスペースに違う選手が入っていくとか、流動的にやろうという意識をつけさせていた。(試合経験が少ないが)その分、トレーニングをテーマを持ちながら徹底できた」(菊池監督)
守備では前線からのプレスが効果を発揮する。一人、二人、三人と連動しながら相手を追い込んでいき、ひとりひとりが寄せるスピードも速い。
最終ラインでは両センターバック、東海林と中野仁湖(2年)が連携を取りながら相手の起点を潰し、裏に抜けてくる選手にも対応。両ボランチもサポートした。前線と最終ラインにおける連動した守備で相手の攻撃を封じ込んでいる。
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試合終了間際にはDF渡邊莉実(2年)がゴール前に飛び出して見せ場を作った。
「こういう舞台(東北大会)でリードしていることが初めてで、逃げ切ろうという思いが強すぎた。ハーフタイムにも距離が遠いからドリブルだけになっていて、サポートの質も悪いと話した」(菊池監督)
試合の経過とともに相手に合わせた対応が多くなり、最終ラインでしのぐ時間が増えていく。個々では攻守において献身的な働きをしていた須田千尋(3年)、前線からのプレスを担っていた榎明音(1年)が交代を余儀なくされる。
それでも失点を許さず、逃げ切りに成功。産みの苦しみを味わいながらも勝利をつかみ取った。トレーニングで積み重ねてきたキビキビとしたサッカーも残した課題も、東北の舞台に出てきたからこそ確かめられたものである。課題もまた、次の試合に向けた成長の過程と言い換えられる。
17日の2回戦では、準決勝進出をかけて専大北上(岩手①)と対戦する。