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[選手権東北大会]常盤木学園が無失点V!女王の座を奪還も前田郁美主将は「ベクトルを全国に合わせる」

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[選手権東北大会 決勝 聖和学園 0-2 常盤木学園]

第30回全日本高等学校女子サッカー選手権大会東北大会は31日、プライフーズスタジアム(青森県八戸市)で決勝が行われ、聖和学園(宮城①)と常盤木学園(宮城②)が対戦。前後半に一点ずつ奪った常盤木学園が2-0で勝利し、県予選決勝のリベンジを果たした。

「立ち上がりは自分たちのペースで相手のミスを誘いながら前から守備ができた。その流れで点を決められて、前半はミスもなかった」(DF前田郁美

「前からプレスもかけられてて、常盤木の流れだった。そこで一点決められたのは大きかった」(MF菊地莉央

前田と菊地が振り返った通り、前半は常盤木学園が優位に進める。高い位置から相手に圧力をかけ、セカンドボールも拾って相手陣内で攻め続ける。コーナーキックから立て続けにチャンスも作った。

試合が動いたのは前半32分、相手ゴールキックをカットした伊藤璃胡(2年)が右足を振り抜き、ゴールイン。相手のミスを逃さず、均衡を破る。

守備も安定していた。背後を狙ったボールはDF陣がはね返し、2列目などからの飛び出しに対しても中盤や前線の選手がプレスバックして、フリーでボールを受けさせない。前半は枠内にシュートを撃たせることなく、ほぼパーフェクトな出来。

最大のピンチは前半38分、今大会好調の聖和学園・本田悠良(1年)が右サイドを突破。対応したCB前田が置き去りにされるが、戻ってきた菊地がカバーリングして事なきを得る。「(菊地が)いるとわかってたので、自分がチャレンジした」(前田)と、守備の連携もほころびがない。1-0リードで前半を折り返す。



追いかける聖和学園は後半、ベンチに控えていたレギュラーを次々と投入する。後半開始から櫻井まどか(3年)、さらに後半15分には高橋朝静(3年)と本城茉弥佳(2年)を送り込むと、徐々にボール保持率を上げながら相手陣内へ攻め込んでいく。

高い位置でボールを奪えた前半とは一転、自陣でブロックを敷いた常盤木学園も粘り強い守備でゴール前への侵入を許さない。そしてカウンターから追加点を狙っていく。

後半23分には自陣で奪ったボールを前に運ぶと、中盤を経由してスルーパスを放つ。サイドを駆け上がった左SB木村莉捺(3年)がDFの背後を取り、飛び出してきたGKより一瞬早く触ってラストパス。走り込んできた高塚映奈(2年)はシュートに持ち込めない。触れば一点、決定的なシーンだった。

つづく後半37分、常盤木学園はFKを獲得する。「 左足で巻いて、味方が触りやすいボールを意識して蹴りました」と、キッカーの菊地が左足で山なりのボールを送ると、ゴール前で高塚と相手GKが競り合う。こぼれ球にいち早く反応したのは、2分前に途中出場したばかりの保原ひな(2年)。体ごとボールを押し込み、ゴールイン。勝負を決定づける2点目を奪った。

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昨年は準決勝でPKの末に専大北上に敗れ、3位決定戦で辛くも全国出場権を獲得。今年は無失点優勝を果たし、タイトル奪還に成功した。 「今年はチームワークしかないから助け合いながらやっていきたい」(前田) 「一人一人もずば抜けて上手い人とかもいないしチームワークでみんなで助け合ってサッカーをする」(菊地) 本大会に向け、攻守の要である前田と菊地は、揃って”チームワーク”を口にする。抜きん出た選手はいないが、決して個々の能力が低いわけではない。誰かひとりに頼るのではなく、チーム力を磨き上げながらここまで戦ってきた。 2018年以来、3年ぶりに出場したインターハイは前橋育英に0-1で敗れ、初戦敗退を喫している。「東北大会で優勝して、満足したというか、みんなに心のゆとりが出来ちゃったと思う。全国大会は雰囲気が違うと感じた」(前田)。経験不足から全国大会の雰囲気に飲まれた。 「今回は全国にベクトルを合わせて、ここで終わりじゃないんだというのを示していきたい」。キャプテンの前田は優勝の余韻が冷めやらぬなか、気持ちを引き締めていた。インターハイの負けは無駄にはしない。チーム力を結集して、ふたたび全国の舞台に挑む。