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[選手権関東大会]成長著しい星槎国際湘南のDFリーダー、鈴木真央は「入替戦の学びを自分から伝える」

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[選手権関東大会 5位決定戦 星槎国際湘南 1-0 修徳]

21日に行われた選手権関東大会5位決定戦。前日の順位決定戦で健大高崎(群馬②)を8-1で下して全国切符を手にれた星槎国際湘南は(神奈川①)は、修徳(東京②)と対戦した。昨年の同大会準決勝では、PKの末に修徳が勝利を収めており、星槎国際湘南にとってはリベンジマッチでもある。

序盤は味方同士がいい距離感を保ちながらテンポよくボールをつないだ星槎国際湘南が主導権を握る。前半8分には国吉花吏埜(1年)がカットインしてシュート。その5分後には中央3人での崩し。加藤弥紀(3年)、鈴木陽笑(3年)、宮本和心(1年)とつなぎ、ふたたび加藤がゴール前に飛び込む。いずれのチャンスもGKとDFに阻まれた。

対する修徳は前半14分に味方が落としたボールを加瀬百花(3年)がダイレクトシュート。鋭いボールがゴールマウスをかすめていった。さらにじわじわと全体を押し上げながら圧力を強め、相手を自陣に押し返していく。

前半をスコアレスで折り返すと、後半12分に試合が動いた。自陣からのビルドアップで左サイドへ展開すると、国吉、長山萌花(3年)とつないで鈴木陽笑がシュート。ここではDFに阻まれたが、その後のコーナーキックの混戦から鈴木真央(3年)がゴールへ蹴り込んだ。この得点が決勝点となり、星槎国際湘南が1-0で勝利を収めている。



後半も立ち上がりから星槎国際湘南がボール保持率を高めていた。だが時間の経過とともに、DFラインが修徳のプレッシャーを受けている。そんな時間帯に生まれた鈴木真央の先制点。そのきっかけとなるコーナーキックを得るまでの一連のプレーもまた、彼女のパスから始まっているのだ。

「自分たちの最終ラインとフォワードの距離がいつもより遠く感じていて、フォワードの花吏埜(国吉)も遠いと言ってたので、距離を縮めようと前半の途中に話していた。自分が運んだら距離が縮むので、そこでアクション起こしてと伝えていました」

前半も後半も自分たちの時間帯ばかりではなく、DFラインまでプレッシャーがかかることはあった。だが、そこで慌てて蹴ってしまえば相手の思う壺。この日の星槎国際湘南には、空いているスペース、フリーの味方を見つけ出してパスを出す冷静さがあった。その中心にいたのが、鈴木真央である。

「焦りもあったんですけど、どこかしら開いていた。ボールを受ける前に周りを見て、どこが空いてるとか、相手がどこから来てるからどこが空いてるというのは意識してました。ここに欲しいとか要求して、やりやすいようにはできた」

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星槎国際湘南のトップチームであるSEISA OSAレイア湘南FCはこの秋、来シーズンのプレナスなでしこリーグ2部昇格をかけて入替戦予選と入替戦を戦っていた。鈴木もトップチームの一員として5試合に出場。とりわけ入替戦では3試合フル出場を果たしている。

トップチームでは右サイドバックとしてプレーするが、高校では山本怜(2年)とセンターバックのコンビを組んでいる。異なるポジションでプレーすることの難しさがないかと問われると、「どちらのポジションでもやることは変わらない」ときっぱり。適応するだけにとどまらず、その経験をチームに還元している。

「入替戦で学んだことを高校でも自分から伝えようと思った。 自分から声を出して周りをやらせるということは意識していました。サイドバックには自分がやっててこういう時はこうした方がいいんじゃないというアドバイスしたりして、センターバックは自分がサイドバックにいたときに声で助けてもらったりしていたので、それを次は自分がやる番だなと思っていました」

サイドバックとしてプレーした経験を仲間にフィードバックすると同時に、先輩CBをお手本にして自らがサポート役にまわる。とりわけ、鈴木が守る左サイドには1年生が多い。最後方から後輩たちをサポートしながら、ビルドアップの起点として、守備のリーダーとしてび役割を担う。そして周囲へ伝えることだけでなく、自身のプレーも入替戦を通じてバージョンアップしている。

「落ち着いてプレーできるようになったのが一番大きい。今まではちょっと相手が来たらすぐ蹴っちゃってたんですけど、色々経験を積ませてもらって、意外と落ち着いてできるんだなと思った。そこまで焦らなくても周りもいるので、そこが一番大きいです。 センターバックが慌てたら全体も慌てちゃうと感じてるので、そこは余裕をもってチームを落ち着かせて、ということを意識しています」

この後、トップチームでの皇后杯を経て、年明けの選手権に向かう。社会人との対戦で培ってきたものをチームに還元しながら、自身もまた成長の階段を駆け上る。