[皇后杯]「自分たちのサッカーをして食らいつく」(小緑主将)、格上にチャレンジした東海大福岡の90分
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「なでしこ1部の相手に自分たちがどこまで通用するか、選手権を見据えてうちのストロングポイントはどんどん挑戦していこう」(山本ひろな監督)
「相手が大人であろうと自分たちのサッカーをして食らいつくということを意識した」(小緑瑠夏主将)
臆することなくチャレンジすることを胸に刻んで大会初戦に臨んだ東海大福岡イレブン。相手のレベルの高さを実感しながらも、懸命に自分たちのサッカーをピッチで表現し続けた。
11月27日、28日に各地で1回戦が行われた皇后杯。4年ぶりに出場した東海大学付属福岡高校の相手は、プレナスなでしこリーグ1部に所属する名古屋(今季8位)だった。来年1月3日に開幕する選手権を見据えて、真っ向勝負を挑んだ。
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試合は東海大福岡が積極的な姿勢を見せる。相手陣内でボールを奪うと、サイド攻撃やテンポのいいパス回しでゴールに迫る。開始早々の2分にはFKから松﨑こころが頭で合わせ、6分には上永ひかりがミドルシュート。2トップがフィニッシュに持ち込む。
しかし10分、ワンチャンスを逃さなかった名古屋に先制点を献上すると、同18分には追加点を与えてしまう。1点目は攻守の切り替えで後手を踏み、2点目は巧みなパス回しで守備陣陣形を崩された。
「マークを受け渡すことを意識したんですけど、相手のタイミングいい動きだったりで自分たちは剥がされてしまって、最終的にゴール前まで運ばれてしまった。自分が一番後ろだったので、もっとコーチングしていたら改善できたと思いました」と、センターバックの小緑は振り返る。
それでも後半1分には、相手のクリアミスを拾った西川綾子が追撃のゴールを決める。キックオフからわずか10秒あまりのことだった。幸先よく1点差に詰め寄った東海大福岡だったが、直後の49分と51分に立て続けに失点してしまった。
勝負を決する2得点を許したが、チャレンジすることは諦めない。54分に途中出場した山名映理が相手の背後を突き、カウンターを繰り出す。
60分には山名の突破で得たコーナーキックの混戦から吉村あかりがシュート。81分には左からのクロスに走り込んだ山名がダイレクトで合わせる。その1分後には、タイミングよくパスを引き出した山名が運び、松﨑を経由して左サイドにつないだボールを途中出場の中村亜海がシュートする。
幾度もシュートに持ち込んだものの、2点目を奪うことは出来ず、1-4のまま試合終了を告げる笛が鳴った。

「試合を通してうまくいかなかったことばかりではないと思う。うまくボールをサイドに展開できたり、ゴールまで行ったところをもっと練習で磨きをかけて、得点につなげられるようにこれからも練習に励んでいきたい」(小緑主将)
指揮官とキャプテンはともにチャレンジしたことについては手応えを示しつつ、フィニッシュの精度を高める必要性についても言及。揃って、”磨く”という言葉を用いて、選手権に向けた課題を挙げた。
前述したように、守備面での課題を口にしていた小緑も攻撃の起点として存在感を見せている。FKのキッカーとして開始直後には松﨑の頭に合わせ、その後もロングフィードをサイドに展開する。
「普段のトレーニングからビルドアップを意識しています。相手が前から来たら奥が空くというのをトレーニングでしているので、引き付けての奥を意識していました」と、最終ラインから得意のロングキックを繰り出し、攻撃の起点でありつづけた。
「キャプテンをしているので、全員を鼓舞していい雰囲気で試合を進めること。プレーではゴール前で体を張って、自分のキックから得点を狙えるように頑張りたい」と、最後の選手権に向けて意気込みを語った。