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[選手権関東大会]コンバートで飛躍を遂げつつある日本航空MF北原歩奈、「自分がビルドアップの出口に」

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[選手権関東大会 決勝 鹿島学園 1-3 日本航空]

コンバートをきっかけに無限の可能性を手に入れた。日本航空MF日本航空(2年)である。"MF"として登録されているが、現在のポジションは左サイドバック。だが、試合の中で巧みにポジションを変えながら様々な役割をこなし、攻撃の軸のひとりとして日々成長を遂げている。

11月21日、清瀬内山サッカー場で行われた選手権関東大会決勝戦。鹿島学園(茨城②)との一戦は、日本航空(山梨①)が3-1で勝利を収めた。初優勝を果たしたこの試合でどのゴールシーンにも顔を出していたのが北原だ。記録上は1アシストだが、その存在感は抜群だった。

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まずはそれぞれの得点シーンを振り返ってみよう。

1点目は0-0で折り返した後半11分。ピッチ中央やや左よりで五味小暖(1年)からの横パスを北原が受ける。沼中彩里(2年)へくさびのパスを入れてリターンパスを受け取ると、目の前を横切った五味へパス。ドリブルでボールを運んだ五味から市村萌那(1年)へ渡り、市村が落としたボールを沼中が右足でゴールネットを揺らした。

「ボールが来る前に相手を見て、ダイレクトでリズムよくつなげて、そこからゴールに行けたので気持ちよかったです」。ボールを受ける前にしっかりと周囲の状況を確認してパスを出し、攻撃のスイッチを入れた。

5分後にはセットプレーから追加点が生まれる。左コーナーキック、キッカーの北原が山なりのボールをファーポスト付近に届けると、津田穂乃香(3年)がドンピシャのタイミングでヘディングシュート。2-0とリードを広げる。

「その前にショートコーナーをしてて、(相手は)ショートコーナーだろうと思っていたと思うんです。その逆をついて中に入れました。味方と目があったのでそれで中に入れようと思いました」。北原が振り返るとおり、それまで日本航空はショートコーナーを用いることが多かった。ここでは相手の意表を突き、直接ゴール前に蹴っている。

そしてダメ押しの3点目は後半29分。右足アウトサイドでスルーパスを放つと、大島暖菜(2年)がスピードに乗ったドリブルで中に切り込む。折り返したボールに走り込んだ髙梨智穂(3年)がダイレクトでゴールに蹴り込んだ。



中学時代は兵庫県神戸市を拠点とするFCリブレに所属。男子に混じってドリブルなど個人能力を磨いた。ポジションはボランチ、インサイドハーフなど中盤を主戦場としていたという。

中学卒業後、高校では左サイドバックにコンバートされた。慣れないサイドでのプレーに適応するだけでも大変なはずだ。その上、日本航空ではより高度なチーム戦術を理解しなければ試合に出ることもままならないだろう。戸惑うことはなかったのか。

「初めてだったのでどういうプレーをすればいいのかもわからなかった。(難しかったのは) サイドバックのポジションの取り方です。 いつ内側に立てばいいのか、高い位置を取るのか、とかは分からなかった。今はいつどういうポジションを取ればいいのか分かってきました。内側に取ったときも今までのインサイドハーフのプレーをすればいいので、どっちも出来るようになりました」

3点目の場面では内側にポジションを取っていたが、自身をマークする選手が味方のセンターバックへ寄せにいった瞬間に外側に開き、パスを引き出した。その後の展開は前述した通りである。

サイドを駆け上がってクロスを上げるなど起点となるだけでなく、ピッチ中央寄りにポジションを取って攻撃の組み立てにも参加できる。1回戦ではコーナーキックの流れからロングシュートを決めて見せるなど、週ーと力も備える。戦術理解の高さ、ポジション取りの上手さが、もともと持っていた技術をより際立たせている。

「良い判断をしながらポジションをとり、味方ともうまく連携する。クロスの精度がまだ低いので、 その質を高くしたい。自分がビルドアップの出口になれるようにして、ゴールを目指してシュートをたくさん撃てる選手になりたい」

と、今後の展望を話してくれた北原はまだ高校2年生。今後も左サイドバックでプレーするのか、新たなポジション・役割を与えられるかはわからない。だが、ここまでの過程で得た経験をもとに、さらなら成長を期待してやまない。伸びしろはたっぷりとある。