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[選手権東北大会]専大北上FW川村瑠葵|チームともにバージョンアップしたエースが1G1Aで全国に導く

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[選手権東北大会 3位決定戦 尚志 1-3 専大北上]

東北新人戦では2-5、インターハイ東北大会では1-3で敗れている尚志(福島①)との3位決定戦。東北代表、最後のイスを懸けた闘いは、専大北上(岩手①)が3-1で勝ち、6年連続6度目の全国出場を勝ち取った。

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常盤木学園に0-3で敗れた前日の準決勝で、専大北上はひとつの教訓を得ている。試合は前半3分に先制した常盤木学園がそのまま主導権を握り、3-0で快勝する。だがこの試合、先に大きなチャンスを迎えていたのは敗れた専大北上だったのだ。

もしそのチャンスを仕留めていれば、結果は違ったものになったかもしれない。そんな思いを監督・選手たちは抱いていた。「先に点を決めて流れを引き寄せる」。前日の敗戦を糧として、専大北上イレブンは強い気持ちでピッチに立った。

試合は立ち上がりから尚志が相手陣内に押し込んでいく。前半11分にはFW大槻美生(2年)がドリブルで切り込み、パスを出す。だが、専大北上は右ウイングの二瓶華菜(3年)が中に絞ってパスカット。シュートに持ち込ませない。

ハイプレスを仕掛けてきた尚志に対して、専大北上は落ち着いてボールを動かしながらプレスをかわし、前がかりになった背後のスペースにボールを運んでいった。こぼれ球を拾うなど粘り強く守り、相手にチャンスを作らせなかった。

「(準決勝から)3-4-3に変えてるんですけど、明らかに噛み合っていなかった。プレッシャーに来たらずれるし、ある程度優位に戦えた。 うちの選手も落ち着いてボールを動かすということをしっかりやってくれた。相手がうまく対応できていなかったので、こっちとしては余裕をもってゲームを進められた」(佐藤徳信監督)

専大北上は4バックと3バックを併用。準決勝では4バック、3位決定戦では3バックで戦っている。連敗した過去2戦からバージョンアップを果たし、相手によってシステムを変えて戦うことが出来るようになった。

押し込みながら得点を奪えない尚志を尻目に、専大北上はカウンターから着実にチャンスを作っていく。

前半8分には右サイドから川村瑠葵(3年)がクロスを上げ、ボールは相手GKの頭上を越えたものの味方には届かない。さらに16分、19分には右サイドを駆け上がった二瓶が昆野めい(1年)へラストパスを放つ。

「常にキーパーの位置を見てたので、(ボールが)来たらロングシュートも狙えるようにとか、空いてるスペースがどこにあるかとか、そこを常に考えながらやっていました」。川村は前線で戦況を見ながら味方の反撃に備え、虎視眈々とゴールを狙っていた。そして、ついにゴールを演出する機会がやってくる。

前半32分。昆野のパスに反応した川村がDFラインの背後を突く。「シュートを打つかクロスをあげるか迷ったんですけど、あそこの角度だとコースがなかったから、やっぱりクロスにした」と、尚志GKも飛び出したが、伸ばした手の鼻先で川村が触って折り返す。ゴール前に走り込んできたのは、左サイドバックの佐藤絵菜(2年)。佐藤が右足ダイレクトで合わせたボールがゴールネットに突き刺さった。

さらに後半13分には自身が倒されて得たPKを落ち着いて決めて追加点。1得点1アシストとチームを全国に導いた。

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バージョンアップしたチームと同じく、川村もプレーの幅を広げるために練習を積み上げてきた。

「相手の間でボールを受けて、前を向いて展開したりとか、起点を作れる選手になりたくて、どこにスペースがあってどこで受ければ相手が嫌なのかとか、そこを毎日の練習で考えながらやってきました。今回の試合はあまり間で受けられなくて、ほとんど裏とかだったんですけど、裏の抜け出しとかも得意なので、どっちでも起点を作れるようにやりたかった」

持ち味である裏への飛び出しに加えて、相手を見たポジションニングでパスを引き出す技術が向上。コメントにあるとおり、この日は尚志が前からプレスをかけてきたため、スペースを狙って裏へ抜け出すプレーが多くなった。練習してきたことを発揮できる状況ではなかったが、どんな相手、展開でもプレーできるよう準備をしてきた。

その成果を発揮する舞台、選手権が1月3日に開幕する。「去年は1回戦で負けちゃったので、その悔しさを忘れずに、今年のチームで1回戦を突破して、目標の全国ベスト4に行きたい」。一昨年、昨年ともにスタメン出場しながら初戦敗退を喫しているが、一皮むけて戻ってきた。チームとともにバージョンアップを遂げた川村が真価を発揮するべく、最後の選手権に挑む。