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[U18東京]晴海総合との大一番をドローに持ち込んだ飛鳥。次戦も勝って、2部無敗優勝を成し遂げる!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[東京U-18女子サッカーリーグ2部 飛鳥高校 1-1 晴海総合高校]

東京U-18女子サッカーリーグ2部は飛鳥高校飛鳥高校が優勝した。8チームによる総当たり1回戦で行われたリーグ戦で飛鳥は6勝1分、勝ち点19で無敗優勝を果たしている。

開幕4連勝の飛鳥は9月25日からの3連戦に臨む。25日には日体桜華を3−0で下すと、29日には晴海総合と1−1で引き分け。大一番での勝利は逃したが、10月2日に東大和を4−1で下して優勝を確定した。

3連戦の2試合目、晴海総合との”都立対決”は、試合開始時点で1位(飛鳥)と4位(晴海総合)。上位2チームに与えられる1部昇格をめぐり、互いに負けられない一戦となった。選手権予選では3回戦で接戦の末に敗れた両チームだったが(飛鳥は東久留米総合、晴海総合は杉並総合に0-1で敗れた)、どちらも3年生が引退せず総力戦で戦った。



前半を優位に進めたのはホームの飛鳥。前半13分には栗俣梓瑛(3年)のスルーパスに川島杏詩(3年)が抜け出す。GKもかわしてゴールに迫るが、晴海総合CB福田ひな(3年)のカバーリングに阻まれる。さらにコーナーキックの流れから栗俣が頭で狙うが枠をとらえられない。

晴海総合はCB福田を中心としたDFラインが堅い守備で飛鳥の攻撃をはね返す。サイド攻撃に対してもアンカーを務める船戸瑠莉(1年)が左右に動いて相手の攻撃の芽を摘み、中央への侵入を許さない。攻撃に転じると、福田のロングフィード、MF横山茉衣(3年)の突破などからゴールを窺った。

すると晴海総合にチャンスが訪れる。前半28分、晴海総合が左サイドでフリーキックを獲得。峯川真理子(2年)が蹴った鋭いボールのこぼれ球を福田が頭で押し込み、試合の均衡を破る。晴海総合が1点をリードして前半の40分を終えた。

★★★

先制点を許した飛鳥は前半途中に左SB塚田彩心(3年)、後半開始からトップ下・栗俣をボランチに配置転換。技術の高いふたりを中盤に配し、主導権を引き寄せていく。

後半14分には川島、酒井穂乃香(3年)とつなぎ、酒井が落としたボールをボランチからトップ下に上がった野口ちゅら(3年)がシュート。決定的だったが晴海総合GK松久保祐希(2年)に阻まれる。

後半27分には浮き球がGKを越えて無人のゴールへ。DFがクリアしたボールを拾った河井舞花(1年)がシュートするが枠をとらえられない。

その後も攻めつづける飛鳥は後半39分、コーナーキックを獲得する。同点に向けたラストチャンスだ。いったんはGKにはじかれるが、鈴木瑠凪(1年)が拾ったボールを河井がつなぎ、河井がゴールネットを揺らして試合は振り出しに。その後も飛鳥が押せ押せで攻めつづけ、1−1のままタイムアップを迎えた。

今年の飛鳥はインターハイ東京都予選で杉並総合を破って3位となり、つづく皇后杯東京都予選高校ラウンドでもベスト4入り。次のステージ進出がかかった代表決定戦では修徳に1−2で惜敗したが、2大会連続で4強に名を連ねた。

安定して上位進出する原動力となったのは、3年生を中心としたチームの結束力だ。荷物運びなどチームの仕事を3年生が率先して引き受け、下級生を引っ張っていった。選手権予選を控えた8月の関東リーガ・日大戦、十文字とのトレーニングマッチでも敗れはしたものの好感触を得る。選手ひとりひとりが生き生きとした表情でサッカーに取り組んでいた。決勝進出、そして関東大会出場への道すじがはっきりと見えていたに違いない。

だがそこに落とし穴が潜んでいた。選手権予選の初戦(3回戦)で東久留米総合に0−1で敗れてしまったのだ。東久留米総合はベスト8入りを目標に掲げて大会に臨んでいた。3回戦はまさにベスト8をかけた一戦。飛鳥が修徳との準決勝を見据えていたように、東久留米総合もまた飛鳥戦に焦点を定めて準備してきたのである。

結果を残すことは出来なかった。だがこの一年間の成果は、選手権予選の結果がすべてではない。ここまで積み上げてきた過程と作り上げたチーム。そこにもしっかりと目を向け、評価すべきである。