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[選手権東北大会]開始10分0−2からの逆転劇、聖和学園を下した尚志が選手権初出場を決める!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)



[選手権東北大会 準決勝 聖和学園 2-3 尚志]

第31回全日本高校女子サッカー選手権大会東北大会は29日、いわぎんスタジアム(岩手県盛岡市)で準決勝2試合が行われた。第1試合では聖和学園(宮城①)と尚志(福島①)が対戦。尚志が3−2で逆転勝利を飾り、決勝に進出すると同時に選手権初出場を決めた。

試合は前半2分に片岡花海(3年)、同9分に本田悠良(2年)が決め、早々に聖和学園が2点のリードを奪う。いずれも聖和学園らしい崩しからの得点。このままゴールラッシュしそうな勢いすらあったが、尚志は0−2から残りの70分間をかけて勝利を手繰り寄せていく。

2週間前に行われた2回戦で負傷したFW大光望結(3年)を欠く中、もうひとりのエースであるFW大槻美生(3年)が3得点を演出した。この日、シュートはゼロだったが、相手のプレッシャーが激しくなる前線でボールを収め、周りの選手を活かした。

前半15分には大槻のコーナーキックからMF黒澤千星(3年)が決める。まずは1点差に詰め寄ると、守備の立て直しを図る。1点を返した後も聖和学園がボールを保持し、サイドから切り崩しを図る。尚志はしっかりスライドして相手の揺さぶりに対応する。サイドを突かれても中ではやらせないことを徹底する。1−2のまま前半を終えた。

後半も開始早々に聖和学園が決定機を迎えるが、尚志の2年生GK福井美月のセーブで追加点を与えない。尚志も相手DFラインへのプレスを強め、同点ゴールの機会を窺っていく。

尚志は相手のミスを逃さなかった。後半21分、聖和学園のビルドアップでGKからのパスを大槻がインターセプト。左サイドに出したパスに走り込んできたMF内田里奈(3年)が右足でゴールに叩き込む。ついに試合は振り出しに戻った。

尚志は同点とした勢いそのままに畳み掛けていく。同点ゴールから6分後、左サイドからのセンタリングを途中出場のMF大宮愛乃(2年)がゴール前で競り合うと、こぼれ球を拾った大槻が相手を引きつけてスペースへパス。ここに走り込んできたのは、右サイドバックの山本珠寿(3年)である。マークするDFともつれ込みながらペナルティーエリアに突入すると、ダイレクトでゴールにねじ込んだ。スコアは3−2、ついに試合をひっくり返した。

この後もチャンスを作りながら相手の攻撃をしのいだ尚志が3−2とリードしたままタイムアップの笛が吹かれ、歓喜の瞬間が訪れた。

昨年、今年とインターハイには2年連続で出場した尚志だが、選手権は初出場となる。今年のインターハイ東北大会決勝では常盤木学園を破って初優勝を飾っており、この一年で”宮城2強”に勝利。常盤木・聖和の2強につづく存在から、2強に割って入る存在へ。創部4年目でついにここまでたどり着いた。