[選手権関東大会]途中出場の1年生FW森竹汐帆の2発で逆転勝ち。星槎国際湘南が鹿島学園に競り勝つ
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第31回全日本高校女子サッカー選手権大会関東大会は12日、鹿嶋市内で1回戦が行われた。高松緑地多目的球技場 第2試合では星槎国際湘南(神奈川②)と鹿島学園(茨城①)が対戦。1−1からの延長の末、星槎国際湘南が2−1で競り勝ち、2回戦に駒を進めた。
1回戦8試合のうち、昨年度の選手権出場校同士の顔合わせとなったのは2試合。ひとつは帝京第三(山梨②)と前橋育英(群馬①)、そしてもうひとつがこのカードである。2014年の創部以来、8年連続で選手権に出場している星槎国際湘南だったが、神奈川県予選の決勝リーグで2位となり、茨城第1代表である鹿島学園といきなり顔を合わせることとなった。今夏のインターハイでベスト8に入り、1回戦では昨年度のインターハイと選手権を制した神村学園を破っている強敵との初戦となった。
鹿島学園は持ち前のアグレッシブな守備で相手のビルドアップにプレスをかけていく。星槎国際湘南はテンポよくボールを動かしてプレスをかいくぐるだけでなく、相手がラインを押し上げてきたらすかさず背後へロングボールを放つ。どこにスペースがあるかを見定めながらゴールをめざしていった。
だが先手を奪ったのは、ワンチャンスを活かした鹿島学園だった。前半15分、鹿島学園はフリーキックを獲得する。キッカーのMF鳴海真緒(3年)がペナルティーエリアへ際どいボールを蹴りこむと、MF安藤結菜(2年)がバックヘッドで合わせたボールがゴールに吸い込まれた。

後半も鹿島学園が前線からプレスをかける展開は変わらない。守備陣のリーダーでもあるGK福田はな(3年)が「ラインを上げろ!」と声をかけ、最終ラインを押し上げる。守護神の後押しをよりどころに、アグレッシブさを継続する。
星槎国際湘南は前半、フリーキックをCB山本怜(3年)が直接狙ったシュート1本のみ。流れの中から決定機を作り出すことができなかった。それでもやることは前半と変わらない。スペースを見つけ、ボールを動かしていく。
両センターバックが左右の足で鹿島学園の背後を狙い、前線からのプレスをかいくぐれば、MF小石川叶夢(2年)など中盤を経由して、サイドへボールを動かす。徹底してスペースを突いてくる星槎国際湘南に対して、鹿島学園もGK福田、CB中村乃奈(2年)を中心に集中を切らさずゴールを割らせない。
それでもシュートやゴールに迫るシーンを作り出すと、決定機が訪れる。後半29分、中央でボールを奪うと、FW国吉花吏埜(2年)が左サイドへパス。そこへ駆け上がってきた左SB駒澤茉歩(2年)が相手サイドバックの裏をとり、ゴール前へ折り返す。ペナルティーエリア右でこのボールを受けたのは、後半24分に途中出場したFW森竹汐帆(1年)。対面のDFをかわすと左足を振り抜き、ゴールに突き刺した。試合は振り出しに戻った。
試合は1−1のまま規定の80分を終え、10分ハーフの延長戦に突入。勝ち越し点はまたしても森竹だった。MF宮本和心(2年)が落としたボールをCB中野希音(2年)がゴール前へロングフィード。このボールに反応した森竹は、今度は右足ダイレクトでゴールに叩き込んだ。この鮮やかなシュートが決勝点となり、星槎国際湘南が勝利した。
中野は神奈川県予選決勝リーグでは欠場、または左サイドバックとして出場していたが、この試合ではセンターバックで起用。山本とコンビを組み、DFラインとGKの間を狙ったロングフィードを幾度も放ち、ラインを押し上げてくる相手を牽制。徹底したプレーが最後は得点に結びつき、勝利を引き寄せた。