[東北高校選手権]指揮官も成長を認める聖和学園のエース。FW米村歩夏が地元凱旋を決める先制弾!
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1回戦で八戸学院光星(青森)を下して勢いに乗るノースアジア大学明桜(秋田)は、最終ラインを押し上げてコンパクトな守備陣形を構築。前半8分には右スペースを突いた明桜FW永井幸菜(1年、秋田L.F.C.)がシュート。その5分後にはGKからのパスをインターセプトしたFW長谷川日保(2年、サルバトーレ櫛引)が無人のゴールにシュートするが、DFのカバーでピンチを免れる。
「芝に慣れてなくて、足元にボールが収まらないことが多かった。(県予選決勝の)宮城生協めぐみ野サッカー場とも芝の感覚が全然違いました」と、キャプテンのCB佐々木はるか(3年、FCみやぎ)は振り返る。普段トレーニングしている人工芝との違いにアジャストするのに時間を要してしまった。

そんな序盤の重苦しい雰囲気を吹き飛ばしたのが、FW米村歩夏(3年、十勝FSリトルガールズ)である。
前半20分、米村はゴール正面やや左側でMF遠藤瑚子(3年、北海道リラ・コンサドーレ)からの横パスを受け取る。左に持ち出したところで反転してDFを剥がすと、右足でゴールネットを揺さぶった。
「監督からキックフェイントしろって言われてて、常に意識していました。あと今日は絶対に先制点をとるって決めてたので、思い切って撃ちました。自分的にはもうちょっと左に撃ちたかったんですけど、威力で撃ち抜けたのがよかった」
曽山加奈子監督もエースの成長を認める。
「ここ最近、ぐっと上手くなっている。安定したプレーを毎回見せてくれるので、 安心して見ていられます。まずボールを取られなくなった。体の使い方が上手になりましたし、アイデアも出せるぐらいの技術がついた」
この言葉を受けて、米村は自身で感じる成長を次のように話した。
「去年と一番違うのは、ドリブルとかゴールを狙う意識が積極的になったと自分では思ってて、殻を破れたのかなと。(今までは)まだ自信がなかったとか、周りに気を使ってたというのが大きいかなと思います」
技術が向上したことで周りがよく見えるようになり、良い判断が出来、アイデアが出せるようになった。今年1月の東北新人戦の時には、「今年は個人で打開することを意識している。チームが点を決めたい時にしっかり決めきれる選手になりたい」とも話していた。その言葉の通り、成長した姿を感じさせられる得点であった。
米村はインターハイが開催される北海道帯広市の隣町、幕別町の出身。中学時代は帯広を拠点とする十勝FSリトルガールズでプレーした。「全国レベルはもっと厳しいと思うんですけど、その中でも自分の良さを出して、ゴールにどん欲になって、チームの勝利に貢献したい」。地元凱旋となる大会でも自身の得点でチームに勝利をもたらす。