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[チャレンジリーグ]好調の静産大、チーム力の向上と左山桃子の存在感

今季から東西統一されたプレナスチャレンジリーグで開幕から好調を維持しているのが静産大磐田ボニータである。開幕3連勝で一時は単独首位に立ち、第4節終了時点でも3勝1分で4位と、なでしこリーグ昇格に向けて好位置に付けている。DF寺田玲子、FW河原崎希といった主力がノジマステラ神奈川に活躍の場を求めて移籍する中、チームは新入生などの若手を中心に、前線からの守備とポゼッションを主体としたスタイルに変身を遂げている真っ最中だ。新しいチームで重要な役割を担っているのが、U-20日本女子代表候補MF左山桃子である。

藤枝順心高校時代から年代別代表に名を連ねていたが、候補止まりだった。昨年はセンターバックへのコンバートをきっかけに転機が訪れる。コンバート直後のU-19日本女子代表候補合宿に招集される同時に、ユニバーシアード日本女子代表にも選出。果敢な攻撃参加で全6試合に先発出場し、2大会連続準優勝に貢献した。そして、10月にベトナムで開催されたAFC U-19女子選手権でもメンバー入りを果たす。最終ラインに怪我人が出る中、センターバックとして4試合(3試合にスタメン)に出場する。身体能力と攻撃力の高さを武器をアジア、世界の舞台で飛躍を遂げた一年だった。

今年は日本で開催されるFIFA U-20女子ワールドカップが控えている。だが、2試合に出場したフランス遠征は、悔いの残る遠征になったようだ。「最初の試合でディフェンスがしてはいけない大きいミスをした。パスミスして、ボールをかっさわれて、次の対応もしっかり出来なかったので、そこの課題を修正したい」と、苦い記憶を振り返る。左山はジュビジーとの初戦でキャプテンマークを巻き、先発フル出場する。失点した場面では、アジア予選でコンビを組んだ高木ひかり(早稲田大学)ではなく、木下栞(日テレ・ベレーザ)とセンターバックのコンビを組んでいた。

「新たにメンバーに入ってきた選手や、試してみたいメンバーを起用した。状況判断というところも見ていたが、状況判断をするためには適切なボールコントロールが必要だが、それが今一つだった。連携面でも普段一緒にやっていない選手が多いという不利な条件はあるが、試合中にアイコンタクトなどのコミュニケーションによって相手の嫌な所をどう崩すかというところが必要だ。それが見えていないと感じた」と、吉田監督は状況判断やコミュニケーションの大切さを説いている。

昨年はチーム事情で選外となっていたDF村松智子(日テレ・ベレーザ)もU-17日本女子代表以来の代表復帰を果たしている。さらに、怪我で戦列を離れている斎藤あかね、坂本理保(いずれも浦和レッズレディース)も復帰に向けて必死のリハビリを続けている。最終ラインはセンターバック、サイドバックとも層が厚くなり、「上手い選手が周りにたくさんいるし、怪我から復帰してくる選手もたくさんいると思う。これから残れるか、残れないかの争いが激しくなってくる」と、左山も危機感を強めており、ここからが生き残りの正念場となる。

一方、静産大では今年からボランチとしてプレー。「彼女のあたりの強さ、ボール奪取能力が出せる。中盤でボールを奪えばビッグチャンスになる」と、三浦哲治監督も攻守における戦術的な要として大きな期待を寄せる。ボランチ起用が結果に結びついたのが、スフィーダ世田谷との第2節でPKを奪った場面である。前線に飛び出して後方からのパスを引き出すと、PA内で相手DFのファールを誘った。「後ろから味方を追い越して、ボールをもらってシュートまで行くという形をボランチでは求められている。ああいう形をやってきて良かった」と、左山は狙い通りの形だったことを明かしている。

29日にはJFAアカデミー福島と0-0で引き分け、6日には常盤木学園高校、13日にはFC高梁吉備国際大学と、昨年のチャレンジリーグ東西覇者との連戦を迎える。「勝てるところで勝っているのは自信になるし、みんなも自信を持っていると思う」と、左山は今季の取り組み結果として表れていることに手応えを掴んでいる。勝つことで得た自信を確固たるものとするためには、東西の強豪との対決は絶好の試金石となる。「今のチームは誰が中心というのではなく、みんなで作り上げていくチーム」と左山が話す通り、静産大のチーム力は昨年より増している。それでも、チームがこの連戦で結果を残すためには、左山の攻守における貢献が欠かせない。

【取材:Takuma Omori@西が丘サッカー場】