minasaka.net

日本女子サッカーの"今"が分かるWEBマガジン「みんな@サッカー」

[東北新人戦]決勝|チームを救う一撃、新シーズンへ雪辱誓う常盤木学園MF滝川結女

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)



身長152cmの小柄なテクニシャンが、新チームを立ち上げて初めての大会で常盤木学園高校にタイトルをもたらした。2年続けて延長戦に突入した仙台育英との決勝戦、0-0の展開に焦りを募らせていたチームは、延長前半9分に滝川結女(1年/楠クラブレディース)がゴールネットを揺らす。この先制点でプレッシャーから解き放たれると、延長後半6分には白坂乃彩が追加点。苦しみながらも2-0の勝利を飾った。

1回戦と準決勝でトップ下を務めていた鈴木日奈子がセンターバックに下がり、その空いたポジションに抜擢されたのが滝川だった。宮田ひびきとともに攻撃をリードすると、先制点の場面では加藤ゆあのシュートがゴールポストにはじかれたこぼれ球を押し込む。「準備をしていたので、ボールが来た時はラッキーと思いました」と話した滝川を中心に歓喜の輪が広がった。

「ゴールにつながるパスもできるし、自分でドリブルを仕掛けることもできる」と、自身の持ち味を語る滝川。その得意なドリブルでゴールのきっかけを作ったのが2点目の場面。相手のマークを受けながらも深い位置までドリブルで突き進み、コーナーキックを獲得。このセットプレーから白坂の追加点が生まれている。

このシーンのように、ドリブルで敵陣へ切り込んでいくプレーは彼女の真骨頂。スペースがなくても怯まず仕掛けるシーンが多いと感じていた筆者がそのことを尋ねると、「いってみようというチャレンジですね」と語る。

滝川は三重県出身の16歳。楠クラブレディースに所属した中3時(2014年)にはキャプテンとして全日本女子ユース(U15)女子サッカー選手権に出場(ベスト16)した。そして卒業後は、「常盤木は練習の雰囲気もいいですし、個人個人のレベルも高い。練習の質も先生の考え方も他の学校とは違う。ここでやったらうまくなると思った」と、チームメイトの川北美空とともに名門校の門を叩いた。

昨年は主にトップ下として、チャレンジリーグ18試合中6試合に出場。「チャレンジリーグでは高校生以上の大人と対戦するので、体の強さもスピードも違う。そこで1年生から出られたのはいい経験になりました。判断のスピードとパススピード、すべてのスピードが上がりました」と手応えを感じると同時に、スタミナ不足や視野の狭さといった課題も挙げている。

今年1月の高校選手権では、チームとしても個人としても悔しさを味わった。常葉橘との2回戦では後半開始から出場するが、20分足らずで退いている。「仲間とタイミングが合わなくて、ボールもそんなに触れなかった。悔しかったですね」と、初めての選手権は悔いを残して大会を去った。

今年はトップチームで出場経験があるのは、GK鈴木あぐり、キャプテンに就任した鈴木、滝川とともにU-16日本女子代表候補に選ばれた沖野くれあなど。経験の少なさは懸念材料だが、悔しさをバネに頂点に立ってきたのが常盤木というチーム。「自分たちがもっと強くなって、前回の借りを返したい」(滝川)と、昨年からの巻き返しを誓って新しいシーズンに挑む。