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[宮城県高校総体]2試合連続で一点勝負の試合を制する。新たなテーマを掲げた常盤木学園が3年ぶり優勝!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[宮城県高校総体 決勝 仙台大明成 0-1 常盤木学園]

令和3年度 宮城県高等学校総合体育大会は7日、松島運動公園で決勝が行われ、常盤木学園が仙台大明成に1−0で勝利。2大会ぶり(3年ぶり)16度目の優勝を飾った。

試合は序盤から常盤木学園が主導権を握る。相手のビルドアップを断ち切ってボールを奪い、サイド攻撃やスペースを突いてゴールに迫った。だがシュートまでは持ち込めても、なかなか決めきれない。

前田郁美(3年)は昨年11月、県新人戦準決勝の仙台大明成との一戦も同じような展開だったという。試合は常盤木学園が攻め込みながらゴールを割ることが出来ず、0−1で敗戦。準決勝敗退を余儀なくされている。

「新人戦もずっと攻めてたんですけど、なかなか決めきれずに自分たちで焦ってしまった。今日はまず一点を決めようと。自滅しないように、自分たちのサッカーを貫き通す。明成も頑張って勢いよく来るので、その流れに飲まれないように。全員で声を出して体を張って、常盤木のペースを絶対に崩さないように。そういうことを意識しました」(前田)

前日の準決勝とは真逆の展開だったが、心の持ちようは変わらない。決して焦ることなく、自分を見失わず、芯をブラさない。この日もまずはていねいに守備をしながら、得点の機会を窺っていく。

0−0で折り返した後半、仙台大明成も常盤木学園のプレスをかいくぐってボールを運んでいく。冷静に相手を見ながらパスをつなぎ、攻撃の軸であるボランチの馬場彩海(3年)へボールを入れてくる。

常盤木学園もすかさず馬場を囲い込み、前を向かせなかった。馬場も粘り強くボールをキープしながらサイドへ展開する。パスを受けようと動き出した選手を逃さなかった常盤木学園がボールを回収した。

ひとつの局面で守備が成功しなくても、二の手、三の手を繰り出してボールを奪い取る。頭も体も動きを止めない。意図した通りにいかなくても、チーム全体で意識を統一して最終的に相手の攻撃を食い止めていった。

今年のテーマは「流守流攻」、そう話したのは新チームのキャプテンに就任したDF前田である。「流れるような守備・流れるような攻撃というテーマで、みんなで動いてハードワークしてパスを回してというサッカーです」。前田のこの言葉を聞いたとき、筆者は前述したプレーを真っ先に思い浮かべた。

そしてついに試合の均衡が破れる。後半11分、右サイドの佐藤まどか(3年)から横パスを受けた菊地莉央(2年)が右足を振り抜くと、抑えの効いたグラウンダーのシュートがゴールに吸い込まれていった。東北大会の舞台、五戸町スポーツクラブ出身の菊地のゴールが決勝点となった。



高校総体優勝は3年ぶり(2大会ぶり)。前回はインターハイ初優勝を果たしている。当時主力だった3年生と入れ替わりで入学してきたのが今の3年生だ。

「あの時のチームが良くて決めました。一人がみんなのために動いて、カバーしあってというひたむきさ。常盤木らしいフィジカルとスピード、迫力に惹かれました」(前田)

ピッチ内に留まらず、ピッチ外でも一人ひとりがチームのために行動する。この年の常盤木学園が優勝した原動力でもある。そして今、当時の選手たちの想いを理解した選手がキャプテンマークを巻き、先輩たちの背中を追いかける。