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[インターハイ]田島光代がハットトリック!湘南学院が水沢にゴールラッシュで初戦突破

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

近賀ゆかり(INAC神戸レオネッサ)、矢野喬子(浦和レッズレディース)といった"なでしこ"を輩出した湘南学院(神奈川県)が夏の舞台に戻ってきた。湘南学院は1日、全国高校総体1回戦で水沢(岩手県)に7-0で大勝を飾り、2回戦に駒を進めた(試合は35分ハーフ)。

2009年に関東を制して全日本高校女子サッカー選手権に出場したのを最後に、昨年、一昨年は関東予選で涙を呑んだ。今年は神奈川県予選で藤沢清流に競り勝つと、関東大会で王座に返り咲き、3年ぶりに"夏の全国"復帰を果たしている。

経験、個々の選手の能力では上回る湘南学院が序盤からゲームを支配。ほとんどの時間帯を相手陣内で進め、次々とシュートを放っていく。だが、決定的なチャンスを作ることが出来ず、精度や判断を欠くロングボール、ドリブルでボールを失う。

ようやく試合が動いたのは14分、湘南学院はDF四之宮優子が右サイドを駆け上がってゴール前に折り返すと、逆サイドに走り込んだDF間明瀬奈が合わせて先制。その後も相手ディフェンスの連携不足、運動量低下に乗じて攻勢を強め、田島光代のハットトリックなどで大量得点を挙げた。

「初戦でどうしても堅くなるが、この暑さの中で粘り強く頑張り、次に繋がる試合だった。(課題は)サイドからのクロスの精度と、ポゼッションするためのパスのリズムがスローダウンしていた。もう少しスピードアップしながら、精度を上げたい。(インターハイについては)私も高校、大学とサッカーをやっていた。インターハイの正式種目になって非常に嬉しいし、参加出来ることを光栄に思っています(次の)藤枝順心とは今年1月の全日本女子ユースで対戦して負けている。今度は挑戦して、是非、勝ちたい」と、木村みき監督はリベンジを誓う。



|ハットトリックの田島光代(湘南学院)、「暑くても耐え切れる体力があった」


10番・浦島里紗とともに湘南学院の攻撃を牽引するのがMF田島光代(3年)である。サイドから仕掛けて好機を演出するだけではなく、多彩な動きが魅力のサイドハーフだ。彼女の仕事場は右サイドだけに留まらない。中央に絞ってからサイドに走り出して、中盤からボールを引き出したり、逆サイドの選手と入れ替わるなど、相手はマークを掴みづらい。

「湘南学院のサッカーはサイドに起点を作ってから攻撃するので、出来るだけ攻撃に枚数を掛けたい。自分がサイドにいるとサイドバックが上がれないから、中に入ったり、逆のサイドハーフとポジションを替わったりしてプレーしています」田島の動き、ポジショニングは、そのままチームの攻撃の形に直結する。

「サイドバックの四之宮選手とも良い距離感で良い形が増えてきました」と、周囲の選手とのコンビネーションも熟成されている。1点目は特徴を活かした形で起点になり、最後は自身でゴールネットを揺らした。

右サイドでボールキープしながら右SB四之宮優子の上がりを待ち、四之宮と入れ替わると、田島は中央寄りにポジションを移す。そこに、四之宮の折り返しから前線で浦島が落としたボールが戻ってくると、思い切り右足を振りぬき、暑さを吹き飛ばす爽快なゴールが生まれた。

2点目は相手GKとDFの連携ミスから浦島がボール奪取。逆サイドで横パスを受けた田島が押し込む。3点目は左サイドを駆け上がった杉本詩織からのセンタリングに頭で合わせた。チャンスメイクだけでなく、様々なポジションに顔を出しながら、常にゴールも狙っている。チャンスメイカーであると同時に、チームの得点源でもある。

1年、2年の夏は関東予選で敗退したため、全日本高校女子サッカー選手権出場を逃している。そのため、この時期に湘南学院が全国大会に出場するのは3年ぶり、3年生の田島は初出場となる。チームは立ち上がり、ボールは支配するものの、なかなかリズムを掴むことが出来なかった。初戦の緊張感が感じられたが、田島自身はいつも通りのプレーが出来たという。

「自分でも最初は緊張すると思っていたんですけど、思ったより緊張しませんでした。みんなも前日からリラックスしていて、バスで来るときも"緊張"という言葉を忘れるくらい、全然緊張しなかった。いつも通りのプレーを出来るだけしようと意識してプレーしていました。結構、練習をやってきたので、それが自信になりました」と、ここまでの練習の成果を実感したようだ。

「(ここまでの練習で何を重視してきたのか、という問いに対して)やっぱり走りです。最後まで走る体力を監督は重視しているので、インターハイまで暑さ対策をやっていました。寒くても、出来るだけビステを着て暑さに慣れるように対策をしてきた。暑くても耐え切れる体力がありました」。

今大会も連日、30℃以上、時には35℃前後の猛暑が予想されている。対戦相手が全国の常連ばかりとなる2回戦以降、ますます練習の効果が発揮されるに違いない。

2回戦の対戦相手は藤枝順心(静岡県)に決まった。藤枝順心とは今年1月、全日本女子ユース(U18)選手権のグループリーグで対戦。0-1のビハインドから田島のゴールでいったんは追いついたが、最後に決勝点を許してしまった。「全国の借りを返したいという気持ちが一番です。絶対に勝てるようにしたい」と雪辱を誓う。