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[なでしこリーグ2部入替戦]OSAレイア湘南はホームで敗れて2連敗、昇格かけて最終節に挑む

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)



[2021プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第2節 SEISA OSAレイア湘南FC 0-1 岡山湯郷Belle]

後半アディショナルタイム、ラストワンプレーとなったコーナーキックもはじかれて万事休す。残留を決めて歓喜する岡山湯郷Belleの選手たちを横目にピッチを後にした。

「史上最大の挑戦が始まる!!」

クラブの公式サイトにそう記された「2021プレナスなでしこリーグ2部入替戦」。9月に行われた入替戦予選大会を2位通過したSEISA OSAレイア湘南は7日、愛川町三増公園陸上競技場に岡山湯郷Belleを迎え、0-1で敗れた。これで2連敗となり、昇格条件となる3位以内にはいるためには14日の最終節(vs ヴィアティン三重レディース)で勝利が必要となった。

開始6分に細かいパス交換から山室佳代がミドルシュートを放つと、その1分後には左からカットインした鈴木陽笑のシュートがゴールを襲うが、相手GKのセーブに阻まれる。レイア湘南はキャプテンマークを巻く山室を中心にパスを振り分け、3バックを敷く湯郷DFラインの背後や横のスペースを突きながらゴールを窺った。

幾度もサイドを突かれていた湯郷は前半途中に3バックから4バックへシステムを変更。守備の修正を図る。その後も鈴木陽笑のドリブル、高橋沙矢香との連携などから崩しにかかるレイア湘南だが、シュートに持ち込めない。前半37分にはコーナーキックの流れから高橋未有が右足を振り抜くが枠の外。スコアレスで前半を折り返す。

後半もレイア湘南がさらにアクセルを踏み込み、先制点を狙って攻勢を強めていく。「行く行かないのタイミングがいい」と、負傷交代した山室からキャプテンマークを引き継いだ左SB池座綾花が的確なタイミングで攻撃に関わると、左サイドからの連動した崩しが増えていく。

後半3分には高橋沙矢香がペナルティエリア横で倒されFKを獲得。高橋未有が蹴ったボールに山本怜がドンピシャのタイミングで合わせるが枠を捉えられない。

その4分後には鈴木陽笑のスルーパスに反応した塩野海風がシュートに持ち込むが、湯郷DFがブロック。さらにオーバーラップした池座のラストパスに高橋沙矢香が走り込むシーンを続けて作るが、DFとGKに阻まれた。

後半開始から10分あまりで少なくとも七度のチャンスを作り、先制点の機運が高まったが、ゴールネットを揺らすには至らない。湯郷もGKとDFを中心にコミュニケーションをとりながらレイア湘南にスペースを与えない。ゴール前では身体を張ったプレーを厭わない。

後半20分にはオフサイドとなったがゴールネットを揺らすなど、徐々に攻勢に転じていた湯郷。ついに同37分に勝ち越し点を奪う。この得点が決勝点となり、レイア湘南は0-1で敗れた。

ボール保持率とシュート数で上回り、後半は幾度もゴールを脅かした。だがワンチャンスを活かして勝ち点3をつかんだのは湯郷だった。そのベースとなっていたのは、組織的な守備である。湯郷が守備的なチームということではなく、なでしこリーグのどのチームも前提として持っているものだ。

「上に行けば行くほど守備組織が堅くなってくる。守備的になるという意味ではなく、守備は守備でしっかりする。うちも守備がそんなに悪かったとは思っていないんですけど、ひとつひとつのクリアの質とか、ちょっとしたところで突っ込まれて失点するというところに、経験値の浅さがあった」(柄澤監督)

なでしこリーグでは組織的な守備と同時に、その守備組織を崩してゴールを奪う攻撃力が必要となる。なでしこリーグ所属チームとの対戦は、昇格後に必要となるものを教えてくれた。この経験を来シーズンに活かすためにも、まずは入替戦を勝ち抜かなければならない。

ここまで未勝利だが、まだ下を向くほど昇格の可能性は狭まっていない。自力で昇格するチャンスも残っている。状況を整理し、気持ちを切り替えることが必要だ。まずはゴール!ひとりひとりの技術が高いレイア湘南の攻撃力をもってすれば、崩せない守備はないはずだ。
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