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[高校総体関東大会]鹿島学園DF中野絢が全国を引き寄せる同点弾!、「全国ではチームを引っ張る存在に」

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

[2023.5.29 高校総体関東大会 3位決定戦 前橋育英 2(3PK4)2 鹿島学園]

前橋育英(群馬)との3位決定戦を制した鹿島学園(茨城)が昨年につづくインターハイ出場権を手に入れた。

前半20分にFW宿野部夏澄(1年、府ロクレディース)のゴールで先制した鹿島学園だったが、同34分と後半6分に失点。要所を押さえた前橋育英に逆転を許してしまった。だがその後は互いに一歩も譲らない展開となる。一進一退の攻防がつづくなか、鹿島学園は後半8分にMF花谷理沙(3年、大和シルフィードU-15)、同11分にMF藤原かのん(1年、GRAMADO FC TOKINAN)を送り込み、攻撃的なカードを切ってくる。

徐々に流れを引き寄せる中で迎えた後半20分、鹿島学園はフリーキックを獲得する。キッカーのMF大林亜未(1年、ジェファFC Sonho)がセンターライン付近からロングボールを放つと、ゴール前で混戦となる。「自分のところにボール来いって願って、(玉井)小春さんが身体を張って、自分のところにボールが来た。あとは決めるだけ」と、最後はDF中野絢(2年、白岡SCL)が押し込んだ。ゴールを求める強い気持ちが、中野のもとへボールを呼び込んだ。

「ずっと苦しい状態が続いてたけど、 自分たちの持ち味のセットプレーでしっかり取れたところは良かった」と中野がコメント。晝間健太監督も、「戦術的なことは多分ひとつもないと思うんですけど、気持ちで押し込んでくれた」と喜んだ。



「彼女は1年生からずっとレギュラーで出ている選手。去年の悔しさ、(選手権関東大会)当日に出られなかった悔しさもある。全国という舞台にこだわりがある選手なので、今日も粘り強く、(前橋育英は)10番の選手とか、かなり能力的にも高い選手たちがたくさんいたんですけど、粘り強く守備してくれた」(晝間監督)

中野は昨年の選手権関東大会を体調不良により欠場。チームは星槎国際湘南との1回戦に敗れ、選手権出場権を逃している。それだけにチームとしても、彼女自身としても、1年ぶりとなる全国大会への思いは並々ならぬものがある。

「自分はビルドアップの部分で活躍したり、守備の部分では失点しないように粘り強くもっと守備して声かけて、チームを引っ張っていけるような存在でインターハイは挑みたいなと思ってます」。2年生ながらチームを牽引する覚悟を持って、夏の舞台に乗り込む。