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[U18北信越リーグ]インハイ予選の課題に取り組む帝京長岡。プレス強度が増した後半にゴールラッシュ!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

2024年6月29日(土)
U-18女子サッカーリーグ2024北信越 第6節
帝京長岡 6-0 福井工大福井
得点:[帝京長岡]寺澤ゆりな(16分)、村山楓(34分)、今井麻琴(45分)、籠林和奏(49分)、山田野乃(58分)、三上亜音(73分)



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帝京長岡は6月29日、U-18女子サッカーリーグ2024北信越 第6節で福井工大福井と対戦した。

試合が動いたのは前半16分、自陣からのカウンターだった。左サイドでMF藤本来桃(3年)がボールを持つと、ドリブルで運んでいく。フリーの藤本には自分でドリブルすることもパスすることも選択肢にはあった。

「ゴールに一番早い形で向かうことが即攻の目的。そこを意識した時に、パスをつないでからの方がいいと思った。フリーだったけど、どうやって味方を使うかで結構変わってくると思うので」(藤本)。

藤本はFW堤なつほ(3年)へのパスを選択する。さらにひとり経由して、最後はMF寺澤ゆりな(3年)が決め、カウンターを完結させる。前半34分にはDF村山楓(3年)のゴールで2点目を奪い、2-0で前半を折り返した。

ここで2週間前に行われたインターハイ北信越大会に時計の針を戻そう。帝京長岡は1回戦で高岡商業に19-0で大勝すると、準決勝では福井工大福井に2-0、決勝では佐久長聖に2-1で勝利。見事にインターハイの出場権を勝ち取った。だが、チームとしては3点目が奪えないことが課題となっていた。

3点目を奪って、勝利を確実なものにしたところでベンチメンバーを送り出す。これが出来なければ、5日間で4試合を戦うインターハイを勝ち抜くことは難しい。インターハイを見据えて、3点目を奪うことがこの日のテーマのひとつとなっていた。

「北信越大会の準決、決勝に比べるとやっぱりファースト(ディフェンス)が全然強くいけてなかった。そこが前半の2点しか取れないっていうところだと思うんですよね」と、前半を振り返った松野智樹監督はハーフタイムに前線3枚を交代する。

「守備がいいと攻撃って勝手に良くなるって思ってて、だから守備をどれだけ自分らの中でレベル上げてやれるかで結構、勝敗決まってくると思うんで、守備ですね」(藤本)。ここで言う守備とはもちろん、前線からの守備のことである。

チーム6点目を挙げた三上亜音は後半開始から出場。ボールを失ったらすかさず奪いに寄せていく。 チーム6点目を挙げた三上亜音は後半開始から出場。ボールを失ったらすかさず奪いに寄せていく。

交代の効果はすぐに表れる。後半5分にFW今井麻琴(2年)が左足でゴール左すみに決めると、その4分後にはペナルティエリアに侵入したMF籠林和奏(3年)が流し込む。前線からのプレスに加えて、攻撃から守備への切り替えの速さでも相手を上回り、福井工大福井にボールを前に運ばせない。狙い通りの守備で主導権を奪い、早々に4-0として勝負を決定づけた。

後半18分にはFW山田野乃(3年)、同33分にはFW三上亜音(2年)がゴールネットを揺らす。途中出場組が次々と結果を残した。前半から改善したのは得点だけではない。チーム全体でドリブル突破が増えるなど、帝京長岡らしいプレーも随所に見られた。

後半の3枚替えで前線からのプレス強度が増し、それが大量得点につながった。チームとしてやるべきことをベンチメンバーが表現した結果でもある。だが「(スタメンが)前半でそこまでして戻ってこないと、なかなかトーナメントは勝ちきれないと思います」と松野監督は語る。選手層の厚さを見せつける形となったが、課題修正については次戦以降にまた取り組むこととなった。
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