[選手権宮城県予選]聖和学園MF伊藤花恋、FK2発で逆転Vへ導くも「もっと成長できる」
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第33回全日本高校女子サッカー選手権宮城県大会 決勝
常盤木学園 2-3 聖和学園
得点:[常盤木学園]藤田瑠佳(8分)、東堂正枝(52分)、[聖和学園]今村栞愛(20分)、伊藤花恋(60分、80+2分)
チームを今シーズン初タイトルに導いたのは、聖和学園の10番を背負う2年生MF伊藤花恋。フリーキックを2本つづけてゴールに叩き込み、その卓越した技術を存分に発揮した。
セイホクパーク石巻で常盤木学園と聖和学園が激突した第33回全日本高等学校女子サッカー選手権大会宮城県大会の決勝戦。ともに準決勝を勝って全国出場を決めて迎えたファイナルだったが、連続出場記録を途切れさせなかった安堵感など微塵も感じさせない激しい戦いとなる。
試合は序盤から聖和学園が追いかける苦しい展開。前半8分にはスローインからつないだボールを決められ、常盤木学園に先制点を与える。しかし同20分、聖和学園は前線からの守備でボールを奪うと、最後はFW今村栞愛(3年)がゴールネットを揺らして試合を振り出しに戻した。
その後も攻防は続き、聖和学園は前半31分にDF小亀萌絵(3年)のロングフィードに反応したMF櫻井梨里花(3年)がシュート。同40分には右サイドでボールを奪い、ふたたび今村がフィニッシュに持ち込むなど、積極的な守備で試合の流れを引き寄せ、チャンスを次々と生み出した。
一方、自分たちの攻撃をやり切れず、ボールを失ったところからカウンターを受ける場面も多かった。1-1で折り返した後半12分には、ふたたびカウンターから勝ち越し点を奪われる。中盤3枚の一角を占めていた伊藤も守備を意識しながらプレーしていたという。
「特に守備。守備のところで、自分のマークの子が裏に抜けたり、自由に動く子だったので、そこのマークをまずはっきりさせる。そうしながらも攻撃参加することを心がけていました」。
伊藤が決めた後半20分の同点ゴール、アディショナルタイムの勝ち越し点はいずれも左サイドでパスをつなぎ、ドリブルを仕掛けたことが相手のファールを誘って得たフリーキックである。伊藤にとって、見せ場がやってきた。
「巻いてニアの方が得意なので、もうこの近さだったらファーに蹴ってもニアに蹴ってもどっちも入るって思ってたんですけど、だったら得意な方を選ぼうと思ってニアに蹴りました」。
左サイド、ペナルティエリア横からのフリーキック。伊藤は2本ともニア方向へ巻いたボールを蹴り、ゴールキーパー頭上を打ち抜いた。2点目は味方選手がキーパーの前に立つなどチームメイトのアシストも功を奏した。
「(後半は)聖和らしいサッカーでパスで崩すというのは決めていた。 そこでファールを受けてのフリーキックだったので、それが得点につなげられてよかったです。さらに「インターハイ予選でも自分のフリーキックが何回かあったのに、決めきれずに負けてしまった。今までたくさん練習してきたので、今日は決められて良かったです」と、伊藤はこれまでの練習が実を結んだことを喜んだ。
伊藤は日テレ・東京ヴェルディメニーナ出身。同クラブの先輩である今野杏凪、石川麗奈(ともに3年)も聖和学園でプレーしている。
彼女が聖和学園への進学を決めた理由について、「中学を卒業してからクラブチームか高校サッカーかで悩んでた時期があって。技術には自信があったんですけど、プロになった時にフィジカル面でまだ通用しないかなと思って。高校サッカーでフィジカルを鍛えたり、聖和で技術も向上しながら短所のフィジカルを鍛えるためにきました」。
将来、プロサッカー選手になっている自分を思い描き、そこから逆算して足りない部分を補う。自身を成長させるため、聖和学園の門を叩いた。1年の時から期待され、試合にも出場していたが、早い時間帯で交代を告げられるなど悔しさも味わってきた。だが目の前にいる彼女は自信に満ちた表情でここまでの成長を語ってくれた。
「(メニーナでは)チームの組織的なサッカーに自分が入ってるイメージでした。聖和に来てからはドリブルのチャンスをくれたり、チャレンジできることが当たり前になりました。(守備でも)個人で1対1というのはメニーナではあまりなくて、そういう面で個人のところで守備を曽山先生が指摘してくれてたので、成長できたかなって思います」。
技術面ではドリブルなどプレーの幅を広げ、守備では1対1の強さなどで成長を実感している。しかし、成長したいという彼女の熱意はとどまるところを知らない。
「選手権ではいま以上に技術の面で前半の入りからもっとやらないといけないなと思う。 後半からやるんじゃなくて、前半の入りから点を取ったり、守備面ももっと強くしないと優勝できない。新人戦もこれからあるし、チャレンジできる場所もあって、成長できるところもまだある。個人としてもチームとしてももっと成長できる。全国制覇したいです」と、2ヶ月後に迫った選手権に向けた想いを語っている。
2024年11月3日(日)
第33回全日本高校女子サッカー選手権宮城県大会 決勝
常盤木学園 2-3 聖和学園
得点:[常盤木学園]藤田瑠佳(8分)、東堂正枝(52分)、[聖和学園]今村栞愛(20分)、伊藤花恋(60分、80+2分)
チームを今シーズン初タイトルに導いたのは、聖和学園の10番を背負う2年生MF伊藤花恋。フリーキックを2本つづけてゴールに叩き込み、その卓越した技術を存分に発揮した。
セイホクパーク石巻で常盤木学園と聖和学園が激突した第33回全日本高等学校女子サッカー選手権大会宮城県大会の決勝戦。ともに準決勝を勝って全国出場を決めて迎えたファイナルだったが、連続出場記録を途切れさせなかった安堵感など微塵も感じさせない激しい戦いとなる。
試合は序盤から聖和学園が追いかける苦しい展開。前半8分にはスローインからつないだボールを決められ、常盤木学園に先制点を与える。しかし同20分、聖和学園は前線からの守備でボールを奪うと、最後はFW今村栞愛(3年)がゴールネットを揺らして試合を振り出しに戻した。
その後も攻防は続き、聖和学園は前半31分にDF小亀萌絵(3年)のロングフィードに反応したMF櫻井梨里花(3年)がシュート。同40分には右サイドでボールを奪い、ふたたび今村がフィニッシュに持ち込むなど、積極的な守備で試合の流れを引き寄せ、チャンスを次々と生み出した。
一方、自分たちの攻撃をやり切れず、ボールを失ったところからカウンターを受ける場面も多かった。1-1で折り返した後半12分には、ふたたびカウンターから勝ち越し点を奪われる。中盤3枚の一角を占めていた伊藤も守備を意識しながらプレーしていたという。
「特に守備。守備のところで、自分のマークの子が裏に抜けたり、自由に動く子だったので、そこのマークをまずはっきりさせる。そうしながらも攻撃参加することを心がけていました」。
前半と比べて、後半になって明らかに変わったことがある。それはコーナーキック、フリーキックなどセットプレーの数が増えたこと。聖和学園が相手コートに押し込み、パスやドリブルでゴールに迫っていくことでセットプレーが増えていった。
伊藤が決めた後半20分の同点ゴール、アディショナルタイムの勝ち越し点はいずれも左サイドでパスをつなぎ、ドリブルを仕掛けたことが相手のファールを誘って得たフリーキックである。伊藤にとって、見せ場がやってきた。
「巻いてニアの方が得意なので、もうこの近さだったらファーに蹴ってもニアに蹴ってもどっちも入るって思ってたんですけど、だったら得意な方を選ぼうと思ってニアに蹴りました」。
左サイド、ペナルティエリア横からのフリーキック。伊藤は2本ともニア方向へ巻いたボールを蹴り、ゴールキーパー頭上を打ち抜いた。2点目は味方選手がキーパーの前に立つなどチームメイトのアシストも功を奏した。
「(後半は)聖和らしいサッカーでパスで崩すというのは決めていた。 そこでファールを受けてのフリーキックだったので、それが得点につなげられてよかったです。さらに「インターハイ予選でも自分のフリーキックが何回かあったのに、決めきれずに負けてしまった。今までたくさん練習してきたので、今日は決められて良かったです」と、伊藤はこれまでの練習が実を結んだことを喜んだ。
伊藤は日テレ・東京ヴェルディメニーナ出身。同クラブの先輩である今野杏凪、石川麗奈(ともに3年)も聖和学園でプレーしている。
彼女が聖和学園への進学を決めた理由について、「中学を卒業してからクラブチームか高校サッカーかで悩んでた時期があって。技術には自信があったんですけど、プロになった時にフィジカル面でまだ通用しないかなと思って。高校サッカーでフィジカルを鍛えたり、聖和で技術も向上しながら短所のフィジカルを鍛えるためにきました」。
将来、プロサッカー選手になっている自分を思い描き、そこから逆算して足りない部分を補う。自身を成長させるため、聖和学園の門を叩いた。1年の時から期待され、試合にも出場していたが、早い時間帯で交代を告げられるなど悔しさも味わってきた。だが目の前にいる彼女は自信に満ちた表情でここまでの成長を語ってくれた。
「(メニーナでは)チームの組織的なサッカーに自分が入ってるイメージでした。聖和に来てからはドリブルのチャンスをくれたり、チャレンジできることが当たり前になりました。(守備でも)個人で1対1というのはメニーナではあまりなくて、そういう面で個人のところで守備を曽山先生が指摘してくれてたので、成長できたかなって思います」。
技術面ではドリブルなどプレーの幅を広げ、守備では1対1の強さなどで成長を実感している。しかし、成長したいという彼女の熱意はとどまるところを知らない。
「選手権ではいま以上に技術の面で前半の入りからもっとやらないといけないなと思う。 後半からやるんじゃなくて、前半の入りから点を取ったり、守備面ももっと強くしないと優勝できない。新人戦もこれからあるし、チャレンジできる場所もあって、成長できるところもまだある。個人としてもチームとしてももっと成長できる。全国制覇したいです」と、2ヶ月後に迫った選手権に向けた想いを語っている。