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[神奈川県高校総体]決勝点は髙田夏葵、「安心して任せられる」と指揮官も信頼するボランチ

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

2024年5月6日(月・祝)
令和6年度 第13回 神奈川県高校総合体育大会 女子サッカー大会
湘南学院 1-0 星槎国際湘南
得点:[‪湘南学院]髙田夏葵(38分)


湘南学院を5年ぶり5度目の優勝に導いたのは、成長著しいセントラルMF髙田夏葵(3年)である。その働きは攻撃のみならず、守備にもおよぶ。

まずは攻撃。後半開始早々3分のことだった。湘南学院はDF木下明海(3年)が浮き球のボールを放つと、髙田が中盤からゴール前へ走り出す。難しい体勢だったが、ヘディングで合わせたボールがゴールに吸い込まれていった。

「2列目からの抜け出しはやると決めていました。いいボールが上がってきて、頭で合わせることができた。決めることができてよかったです」(髙田)。

湘南学院のキックオフで始まった後半、前線からのプレスで引き寄せたいい流れを先制点に結びつける。結果として、この得点が決勝点となっている。



そして守備でも存在感を発揮する。前半26分のことだ。湘南学院は中盤で相手を挟み込んでボールを奪取。FW五十嵐捺(3年)のミドルシュートにつなげた。

前半はここまで、相手をハメることが出来ずにプレスのやり方を試行錯誤していた。CF五十嵐とトップ下の河原桃香(3年)が下り目にポジションを取ることで、中盤の髙田との距離感もよくなる。守備を修正し、良い守備からシュートにつなげたという意味で印象に残るシーンだった。ここで発揮されたのが髙田のボール奪取する力の高さである。

「球際に強く行って奪い切ることを心掛けてやっていたので、そこで奪い切れてよかったです。球際は強く行こうっていうのは全員で意識してやっていました」。チームとして意識していることを体現していたひとりが髙田だったのだ。

2年生から試合に出ている髙田だが、昨年後半からの成長がめざましいという。それには理由がある。

「2年の後半から守備力がすごくついてきて、要になってきた。2列目からの抜け出しは得意です。走力も付いて、最後まで走りきれるっていう自信もあると思います。3年でさらに変わってきました」(木村監督)。

走力アップは守備強度の向上にもつながっているに違いない。「それまでは全然走れないし、すぐ諦めちゃう選手だったんですけど、タフな選手に変わってくれたのでもう安心して任せられます」と木村監督は続ける。攻守における成長により、指揮官の厚い信頼も勝ち取った。

つぎは関東大会。上位3チームに全国大会の出場権が与えられる。ベスト4入りした2014年以来、10年ぶりのインターハイ出場に向け、中盤は彼女に任せた!
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