[インターハイ]柳ヶ浦が冬夏連続4強入り!収穫と課題を得られた準決勝敗退
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令和6年度 全国高等学校総合体育大会 準決勝
大商学園 2-0 柳ヶ浦
得点:[大商学園]田中美優(4分)、佐藤ももサロワンウエキ(69分)
柳ヶ浦(大分)は今年1月の全国高校女子サッカー選手権に続き、インターハイでも3位入賞を果たした。8月2日の準決勝では、大商学園(大阪)と対戦。序盤に失点を許しながらも、粘り強い守備で接戦を繰り広げた。
★★★
試合の立ち上がり、柳ヶ浦は2トップを起点に攻撃を展開し、コーナーキックを獲得。しかし得点には至らず、逆に前半4分、大商学園がコーナーキックから先制点を奪った。序盤のセットプレーの攻防が両チームの明暗を分ける形となった。
林和志監督はこの場面を次のように振り返る。「常盤木戦でも前半4分に失点していたので、試合の入りは意識していました。それでも同じように早い時間帯に失点したことでゲームプランが狂ったところはありました」。
柳ヶ浦は失点後に立て直し、追加点を許さずに前半を終える。チームの巻き返しを支えたのは、大商学園のエース・佐藤ももサロワンウエキ(2年)を抑えたMF田中莉那(3年)のマンツーマンディフェンスだった。
「1回戦、2回戦を分析して9番(佐藤)のアクションに周りが連動するとわかっていたので、マンツーマンで抑えることで攻撃の選択肢を減らしたかった。最後はやられましたが、それまではある程度自由を奪えていました。そこは一定の評価はしています」と林監督は戦術の意図を説明した。
前半、柳ヶ浦は佐藤にシュートを打たせず、チーム全体でもシュート2本に封じた。そのうちの1本は失点した時のもので、その後は1本しか打たせていない。後半34分に追加点を許したが、それは柳ヶ浦が同点を狙うなかでの失点だった。計算外の失点(大商学園の先制点)はあったものの、この戦術は一定の成果を挙げたといえる。
一方で、攻撃面では江﨑悠乃(3年)と村上凜果(1年)のツートップ、左SH松田吏真(2年)を狙ったロングボールや、左SB竹田美佐也(1年)のロングスローを活用しながら攻撃。しかし大商学園の堅守を崩すには至らなかった。
「これまでは長いボールを収めたり、競り勝って背後に抜け出すシーンを作れていたんですけど、今日は相手の10番が自由にさせてくれなかった。入れるボールの質やしっかりキープをすることなどは、冬に向けてもう少し伸ばしていかなければならないと痛感しました」と、林監督は攻撃の課題を述べた。
「守備では、しっかり粘り強く守る九州らしさを出せた」。さらには、「逆転する力や1点を守り切る力は少し付いてきたかなと思います」と、今大会の収穫について語る。
1回戦では前半8分に挙げた江﨑の先制点を守り切り、1-0で鹿島学園(茨城)を退ける。常盤木学園(宮城)との2回戦では、前半4分に先制を許すも、江﨑と松田がゴールを決めて逆転。その後に追いつかれたが、PK戦を制して準決勝進出を果たした。大商学園戦も含め、接戦のなかで収穫も課題も見つかった。
★★★
この試合ではロングボール主体の攻撃を展開した柳ヶ浦だが、中盤でボールを動かして攻める形も随所に見られた。
「本来はそういうサッカーをやっています。勝負がかかった時でも蹴る場面とつなぐ場面を、相手を恐れずに状況判断をしながら、どちらか選べるようになっていかないといけない」と、林監督は展望を語る。
高松も「もっと走れるようになること。ボール保持率を上げて、しっかりシュートを増やすこと。そして決定力を高めたい」と、成長への意欲を見せた。
今大会は惜しくも準決勝で敗退した柳ヶ浦だが、冬夏連続で全国4強入りを果たしたのはチーム史上初。全国的にもこれを達成したのは柳ヶ浦と藤枝順心(静岡)のみである。確実に進化を遂げた柳ヶ浦。冬の選手権でもこの経験を糧にさらなる成長を見せてくれるだろう。
2024年8月2日(金)
令和6年度 全国高等学校総合体育大会 準決勝
大商学園 2-0 柳ヶ浦
得点:[大商学園]田中美優(4分)、佐藤ももサロワンウエキ(69分)
柳ヶ浦(大分)は今年1月の全国高校女子サッカー選手権に続き、インターハイでも3位入賞を果たした。8月2日の準決勝では、大商学園(大阪)と対戦。序盤に失点を許しながらも、粘り強い守備で接戦を繰り広げた。
★★★
試合の立ち上がり、柳ヶ浦は2トップを起点に攻撃を展開し、コーナーキックを獲得。しかし得点には至らず、逆に前半4分、大商学園がコーナーキックから先制点を奪った。序盤のセットプレーの攻防が両チームの明暗を分ける形となった。
林和志監督はこの場面を次のように振り返る。「常盤木戦でも前半4分に失点していたので、試合の入りは意識していました。それでも同じように早い時間帯に失点したことでゲームプランが狂ったところはありました」。
柳ヶ浦は失点後に立て直し、追加点を許さずに前半を終える。チームの巻き返しを支えたのは、大商学園のエース・佐藤ももサロワンウエキ(2年)を抑えたMF田中莉那(3年)のマンツーマンディフェンスだった。
「1回戦、2回戦を分析して9番(佐藤)のアクションに周りが連動するとわかっていたので、マンツーマンで抑えることで攻撃の選択肢を減らしたかった。最後はやられましたが、それまではある程度自由を奪えていました。そこは一定の評価はしています」と林監督は戦術の意図を説明した。
前半、柳ヶ浦は佐藤にシュートを打たせず、チーム全体でもシュート2本に封じた。そのうちの1本は失点した時のもので、その後は1本しか打たせていない。後半34分に追加点を許したが、それは柳ヶ浦が同点を狙うなかでの失点だった。計算外の失点(大商学園の先制点)はあったものの、この戦術は一定の成果を挙げたといえる。
一方で、攻撃面では江﨑悠乃(3年)と村上凜果(1年)のツートップ、左SH松田吏真(2年)を狙ったロングボールや、左SB竹田美佐也(1年)のロングスローを活用しながら攻撃。しかし大商学園の堅守を崩すには至らなかった。
「これまでは長いボールを収めたり、競り勝って背後に抜け出すシーンを作れていたんですけど、今日は相手の10番が自由にさせてくれなかった。入れるボールの質やしっかりキープをすることなどは、冬に向けてもう少し伸ばしていかなければならないと痛感しました」と、林監督は攻撃の課題を述べた。
田中莉那(左)と佐藤ももサロワンウエキ(右)。マンマークなど粘りつよい守備で大商学園に対峙した。
「九州では戦えないような上手い相手と対戦するなかで、自分たちのやれた部分とやれない部分が見つかった。冬に向けてまたしっかり練習していきたい」と、柳ヶ浦のキャプテン、高松芹羽(3年)は今大会を総括した。「守備では、しっかり粘り強く守る九州らしさを出せた」。さらには、「逆転する力や1点を守り切る力は少し付いてきたかなと思います」と、今大会の収穫について語る。
1回戦では前半8分に挙げた江﨑の先制点を守り切り、1-0で鹿島学園(茨城)を退ける。常盤木学園(宮城)との2回戦では、前半4分に先制を許すも、江﨑と松田がゴールを決めて逆転。その後に追いつかれたが、PK戦を制して準決勝進出を果たした。大商学園戦も含め、接戦のなかで収穫も課題も見つかった。
★★★
この試合ではロングボール主体の攻撃を展開した柳ヶ浦だが、中盤でボールを動かして攻める形も随所に見られた。
「本来はそういうサッカーをやっています。勝負がかかった時でも蹴る場面とつなぐ場面を、相手を恐れずに状況判断をしながら、どちらか選べるようになっていかないといけない」と、林監督は展望を語る。
高松も「もっと走れるようになること。ボール保持率を上げて、しっかりシュートを増やすこと。そして決定力を高めたい」と、成長への意欲を見せた。
今大会は惜しくも準決勝で敗退した柳ヶ浦だが、冬夏連続で全国4強入りを果たしたのはチーム史上初。全国的にもこれを達成したのは柳ヶ浦と藤枝順心(静岡)のみである。確実に進化を遂げた柳ヶ浦。冬の選手権でもこの経験を糧にさらなる成長を見せてくれるだろう。