[高校総体]星槎国際湘南が6年ぶり4強!指揮官の信頼厚い主将、FW国吉花吏埜の先制弾で流れ引き寄せる
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[2023.7.27 全国高校総体2回戦 聖カピタニオ 0-3 星槎国際湘南]
全国高校総体は27日、帯広の森球技場で2回戦が行われ、星槎国際湘南(神奈川)が聖カピタニオ女子(愛知)を3ー0で下し、準決勝に駒を進めた。
試合の立ち上がりは聖カピタニオをラインを押し上げ、星槎国際湘南のビルドアップに圧力をかけていく。星槎国際湘南はボールは保持したものの、ボールを相手陣に運ぶことができない。試合の流れを変えたのは、前半の半ばに取られた約3分間のクーリングブレイクだった。
「最初は前線が裏に抜ける動きが少なくて、 攻撃にあんまり持ってくる形がなかった。クリーンブレイクの時に、もう少し狙っていこうっていう話をしました」とキャプテンの国吉。
相手がラインを上げてきているなら、その背後にスペースがある。クーリングブレイクに入る前にもベンチから声掛けがあり、前半16分にはカウンターから国吉花吏埜(3年、琉邦クラブ)が抜け出し、国吉からのパスを受けた中島咲友菜(3年、FCシュロス松本ヴィーヴォ)がゴールに迫る。
試合が動いたのはクーリングブレイクが明けてすぐのことだった。前半25分、最終ラインからロングボールが放たれると、タイミングよく走り出した国吉がスペースでボールを受ける。相手GKも飛び出してきたが、右足で冷静に流し込んだ。
「(センターバックと)上手く目が合って、タイミングよく抜け出した。キーパーが前に出てくるのが見えたので、落ち着いて決めることができました」(国吉)
この得点で流れを引き寄せた星槎国際湘南は、前半32分にMF望月心咲(3年、横須賀シーガルズMEG)、その2分後にDF駒澤茉歩(3年、大和シルフィードU-15)が追加点を挙げる。後半はFWオーライリー 詩奈(3年、名古屋FCルミナス)にボールを集めた聖カピタニオが反撃するが、得点は許さず完封勝利を飾った。
昨年から絶対的なエースとして君臨しているが、今年は2年目を迎えるキャプテンとしての成長が著しいと筆者は感じている。とりわけ、味方を鼓舞したり、背中を押したり、仲間の背中を押すような声かけが圧倒的に増えた。
「去年は、少なかったですけど3年生がいて、そこに任せてる部分があって、自分のことで精一杯だった。今年は自分が1番上になって、周りも見なきゃいけないなとは思って心がけています」(国吉)
「こちらが言ってることをすごく理解してくれて、しっかりやってくれていると思います。頼れるキャプテンです」と、柄澤俊介監督も絶大な信頼を置いている。
29日の準決勝では、今年1月の全日本高校女子サッカー選手権で優勝した藤枝順心(静岡)と対戦する。宮澤ひなた(マイナビ仙台レディース)を擁して出場した6年前の準決勝で敗れた相手でもある。「藤枝順心にはまだ公式戦で勝ったことがない。今年は(勝利に)こだわりたい」と柄澤監督は意気込む。今年の星槎国際湘南は昨年から試合に出ている主力が多いが、キャプテンとしての国吉の成長はチーム力をも高めている。結果を残す条件は整った。