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[皇后杯東北大会]MF伊藤結菜が2ゴール含む全3得点にからみ、常盤木学園を3年ぶり決勝に導く

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)



[皇后杯東北大会 準決勝 仙台大学 1-3 常盤木学園高校]

皇后杯JFA第44回全日本女子サッカー選手権大会東北大会は8日、松島フットボールセンターで準決勝が行われた。第1試合では仙台大学と常盤木学園高校が対戦。常盤木学園が3−1で勝利を収め、10日の決勝に駒を進めた。

常盤木学園は前後半の立ち上がり、仙台大学の前からのプレッシングに上手く対処したことが勝利につながった。

この日が初戦の仙台大は前線の選手が相手のパスコースを制限しながら寄せていき、後方の選手がボールの回収を狙う。この守備が上手くいき、仙台大が試合を優位に進めたかに見えた。だが常盤木学園も粘り強く守り、シュートは撃たれても決定機は作らせない。

そして迎えた14分、常盤木学園が試合の均衡を破る。右サイドからの横パスをMF葛西彩(2年)が中央で受けると、すかさず前線に浮き球のパスを放つ。このボールに反応した伊藤結菜MF(3年)がDFラインの背後に走り込み、「キーパーも出ていたので触るだけでした」と、ワンタッチでゴールに流し込む。

その後、39分にミスから仙台大に同点を許したが、失点を挽回するのも早かった。まずは39分、FW竹内瀬戸香(3年)からのパスを伊藤結菜がペナルティーエリア付近で受ける。人と人の間に顔を出してパスを引き出した伊藤がフリーで右足シュート。ふたたび勝ち越しに成功する。

「味方がスルーした後ろにもう一枚入る練習をしているんですけど、練習どおりに出来た。余裕を持ってボールを受けろと(阿部監督から)言われているので、それを意識していました」と、納得の得点である。

さらに前半終了間際の45分、伊藤結菜が相手のパスをインターセプト。このボールを高塚映奈(3年)につなぎ、高塚のパスから伊藤璃胡(3年)が決める。3−1と突き放して前半を折り返した。

2点を追いかける仙台大は後半、より高い位置でボールを奪おうと前に出てくるが、常盤木学園はそれをいなしながらボールを回す。時間の経過とともに相手陣内でボールを動かし、選手のポジションチェンジも増え、相手ゴールに迫っていく。追加点こそ奪えなかったが、最後まで攻め切ってタイムアップの笛を迎えた。

2得点に加えて、3点目の起点となり、全得点に関与したのが伊藤結菜である。伊藤は今シーズンの東北女子サッカーリーグで10得点を挙げ、1試合を残して得点ランキングの首位に立つ(2位は9得点の伊藤璃胡)。「アシストも増やしていきたい」と、インターハイ予選では話していたが、得点力の高さが際立っている。

「(阿部監督に)まずゴールを見ろと言われるので、練習の時からまずゴールを見て、無理だったらアシストと決めています。ゴールを入れられるならどんどん狙っていきます」と語る。この日もいいポジションでボールを受けられていると筆者は感じている。常にゴールを意識しているからこそ、シュートを撃てるポジションでボールを受けることが出来ているのだろう。