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[選手権関東大会]1年生GKの奮闘に攻撃陣が奮起!接戦で強さを見せた星槎国際湘南が9度目の全国

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

第31回全日本高校女子サッカー選手権大会関東大会は13日、鹿嶋市卜伝の郷運動公園で2回戦4試合が行われた。Bピッチ第2試合では前橋育英(群馬①)と星槎国際湘南(神奈川②)が対戦。星槎国際湘南が3−2で競り勝ち、準決勝に勝ち上がると同時に9大会連続9回目の選手権出場を決めた。

いい形で試合に入ったのは風下に立った前橋育英だった。全体がコンパクトになり、最終ラインを押し上げながら相手のビルドアップにプレスをかけていく。マイボールにすると、パスとドリブルを交えながら相手陣内に切り込んでいった。

テンポのいい攻撃から決定機が生まれたのは前半13分。ボランチ・奥山莉乃(2年)が出したスルーパスに反応したSH岩渕柚月(2年)が左サイドを抜け出して折り返す。逆サイドからゴール前に走り込んできた相場絵央(3年)がワンタッチでゴールに流し込む。自陣でのスローインから7人がボールをつないでゴールに結びつけた。

対する星槎国際湘南も徐々に高い位置でボールを回し始める。そして前半27分、センターサークル付近でMF宮本和心(2年)がボールを受けると、ドリブルで切り込んでいく。寄せてくる相手をひとり、ふたりとかわしたところで思い切って右足を振り抜く。追い風にも乗ったボールがゴールに突き刺さった。

1−1となり一進一退の展開となったが、ふたたび流れを引き寄せたのは前橋育英。トップ下を務める綿引涼音(1年)がスペースに流れて中盤からパスを引き出し、サイドで起点となる。前半32分には左からクロスを上げ、右の相場がシュート。同35分にも左サイドから逆サイドにクロスを放ち、加藤満久花(3年)のシュートを引き出す。さらにその3分後にもフリーキックからシュートする場面を作り出す。いずれもGK、クロスバーに阻まれたが、決定的なチャンスを立て続けに作った。

ピンチの後にはチャンスあり。相手の猛攻をしのいだ星槎国際湘南にも絶好の得点機会が訪れた。前半終了間際の40分、自陣でボールを奪うとカウンターを発動させる。国吉花吏埜(2年)がスピードに乗ったドリブルで相手陣に侵入。いったんはボールを失ったが、すぐに奪い返して持ち込み右足でシュート。これはGKに阻まれたが、こぼれ球を中島咲友菜(2年)が押し込み、逆転。2−1として前半を折り返した。


後半、先手をとったのは逆転を許した前橋育英だった。開始早々の6分、内側にポジションを取っていた左SB堀井咲穂(1年)が縦パスを送る。これをFW加藤がスルーすると、そこに走り込んできた綿引が中へ折り返す。ペナルティーエリアに走り込んできたのは、スルーした加藤。加藤が右足ダイレクトでシュートを決める。先制点と同じく、自陣からの流れるような連携でゴールを奪った前橋育英が追いついた。

その後もGKとDFライン間のスペースを突いてくる前橋育英に対して、星槎国際湘南は1年生GK内海佑南が鋭い反応で飛び出し、ラストパスを通させない。さらに飲水タイム明けの後半23分、カウンター攻撃でリターンパスに走り込んできた前橋育英・綿引との1対1を迎える。GK内海は思い切った飛び出しでボールを奪い取り、シュートの芽を摘んだ。

若き守護神の奮闘に攻撃陣も応えた。後半30分、星槎国際湘南は自陣までプレスバックしてきたFW中島がボールを奪う。これをつないで逆サイドへ運び、ペナルティーエリアに侵入したところで相手に倒される。このPKを宮本が決め、3−2で勝ち越し。その後も前橋育英が幾度もチャンスを作ったがリードを守り切り、タイムアップの笛を迎えた。