2024年6月16日（日）
第66回東北高等学校サッカー選手権大会 準決勝
尚志 0-1 専大北上
得点：［専大北上］平山梨暖（13分）


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FW平山梨暖（2年）が決めた虎の子の一点がチームを全国へ導いた。

ここ数年、全国大会の出場権をめぐってバトルを繰り広げてきたライバル・尚志（福島）と激突した専大北上（岩手）は、立ち上がりから相手にロングボールを放り込まれ、守備の時間を強いられる。

「少ない攻撃の数で決め切るしかないなっていう気持ちがありました。尚志もどんどん攻撃してくるから、ボールを持った時は絶対奪われない。まず1対1で負けないっていう気持ちで頑張ってました」（平山）。

3トップの一角として出場した平山は、”チャンスを逃さない”という強い決意を胸に秘め、前線で相手DFと対峙していた。そして決め切るべき瞬間はすぐに訪れた。

前半13分、尚志の猛攻をしのいだ専大北上は自陣右でフリーキックを獲得する。GK山下真央（3年）がロングボールを入れると、MF昆野杏梨（3年）、DF菅野桃子（3年）、MF小林愛（3年）とつないだボールが平山へ渡る。

カットインした平山がペナルティアーク付近に到達する。尚志のツーセンターバックも付いていたが、そのふたりの間から右足を振り切ったシュートがゴールに吸い込まれていった。専大北上は最初のシュートを得点につなげた。

平山はゴールが決まったことが嬉しすぎて、どうやってボールをもらったのかは覚えていないという。それでもその瞬間に頭をよぎったことを説明してくれた。

「ボールもらって、何人かに囲まれてたけど、シュートは打てる範囲ではあったので、もうここで打つしかないって思って、いちかばちかで打ちました。体勢も悪かったけど、綺麗なコースに決まってくれました」。

FW大野妃菜（3年）、MF高鹿沙紀（2年）と主力ふたりがベンチスタートだったこの日。スタメンのチャンスを与えられたのは、ふたりが欠場していた東北女子サッカーリーグでも先発していた平山だった。

「ボール持ったらドリブルで縦よりも中に入って、そこからチャンスを作れるのが自分の持ち味だと思っています」と、まさに得点シーンのようにドリブルで中に仕掛けてシュートチャンスを作ることを意識して試合に臨んだ。

さらに平山は中学時代からのチームメイトである高鹿への想いも語っている。

「髙鹿とは中学校から一緒にプレーしていました。髙鹿はドリブルがすごいから、一緒にプレーできたらいいなって思ってたんですけど、でも難しくて……。髙鹿のことも想ってたし、髙鹿みたいなプレーでチャンスを作れればなっていう気持ちで、自分がやるしかないという気持ちで戦いました」。

前述したように高鹿はベンチスタート。怪我上がりのため、後半からの投入が予定されていた。平山は後半11分に交代を告げられたが、入れ替わるようにピッチに入ったのが高鹿だった。一緒にプレーするという願いは叶わなかったが、インターハイでの共演を期待したい。