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[北海道高校総体]決勝|曽部妃加里主将「スタメンを3年生で埋めたい」、願いを叶えた文教大附属が優勝!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

2024年6月19日(水)
第13回 北海道高等学校総合体育大会 決勝
北海道文教大学附属 0(4PK3)0 北海道大谷室蘭
得点:なし



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北海道高等学校総合体育大会は6月19日に白旗山競技場(札幌市)で決勝を行い、北海道大谷室蘭と北海道文教大附属が対戦。0-0からの延長戦でも均衡が崩れず、PK戦を制した文教大附属が勝利を収めた。両チームは7月30日から開幕するインターハイに出場する。

準決勝で北照を3-0で下してインターハイ出場権を手に入れた文教大附属だったが、清野訓靖監督は秋に行われる選手権予選も見据えて選手に声をかけたという。

「これが高校選手権の予選だったら、ここ勝たないと出れないよっていうところは試合前には意識させたので、逆に固くなっちゃったかなと思うんですけど。でもこういうところを勝たないと秋は勝ち抜けない。そういう意味では良かったかなと思います」。これまで選手権では北海道の出場枠は2だったが、今年度から1となる。選手権予選を見据えて、勝ち切ることをめざして試合に臨んだ。

試合はラインを押し上げて高い位置でボールを奪おうと試みる大谷室蘭に対して、文教大附属は成田咲蘭(3年)と吉田有沙(3年)のツートップを軸に攻撃を組み立てる。ボールを収められ、個人でもドリブルで仕掛けられる成田。長身でパワーがあり、足もとの技術も高い吉田。この二人の活かしながら右SB吉川育夢(3年)のスピードに乗ったオーバーラップや、左SH佐藤友来(3年)のドリブル突破など、サイド攻撃を絡めながらゴールを窺う。

徐々に相手のラインを押し下げてはいくものの、大谷室蘭もゴール前で体を張った守備を見せ、ゴールを割らせない。文教大附属はセットプレーからもゴールを狙ったが、大谷室蘭の集中した守備を最後まで崩すことが出来なかった。

PK戦では文教大附属GK尾形芽生(3年)が先攻・大谷室蘭の1人目をストップ。シュートとは逆方向に飛んだが、残した足に当てて防いだ。さらに両チームともに3人目がポストとバーに当てて失敗。文教大附属が4-3で制した。

文教大附属はこの日、スタメン11人を3年生が占めた。清野監督によれば、監督に就任してから初めてのことだという。今年のチームについて、指揮官は次のように話した。

「ここ最近では一番、この時期では早い段階で仕上がってきています。スタートから3年生が全員っていうのは、今まで私が監督をやってきた中で一回もなかった。そういう意味では、本当に3年生が引っ張ってくれるチームかなと思います。これを後輩たちにも見てもらって、3年生が引っ張っていく高校生らしいチームを今後も伝統にしていってもらえればいいかなって思います」。

3年生にとっては1年生の頃から目標にしていたことでもあった。キャプテンを務める曽部妃加里(3年)は自分たちの思いを次のように明かしてくれた。

「1年生の時からずっとスタメンを3年生で埋めたいって、この学年で埋めたいっていうことをずっと目標にしてて、それが実際にこのインターハイで叶って、本当によりみんなが力入ってたかなと思います」。

今年の3年生が入学してからインターハイには3年連続で出場、選手権にも1回出場している(2023年度)。全国大会での経験を積む中、全国大会をめざすに当たって普段からどんなことを意識しているのか聞いてみた。

「運動量とディフェンスのところですね。全国になるとすごいアタッカーが揃ってるので、1対1で止められなくても2対1で止めるとか、ディフェンスでも数的優位に立てるように運動量を上げて、とにかくアップダウンをしっかりやることと、スライドと上下左右の動きをこまめにやること。今大会も無失点で終えられたのは良かったかなと思います」。

一方、曽部はチームの雰囲気づくりに努めていたという。

「チームの雰囲気というものは崩さずに、常にチームを笑顔にさせられるように、どんな時も前向きな声かけで、みんながポジティブに取り組めるようなチーム作りをしてきました。ちゃんと締めるところは締めて、自分で練習中にも集めたりして、もっと集中するように伝えたりはしています」。

苦しい時でも前向きに、明るい雰囲気の中にも厳しさは忘れない。キャプテンがしっかりと手綱を握り、全国の舞台に挑む。