[高校総体関東大会]準決勝|十文字”FW”本多桃華、暁星国際の堅守を打ち破る決勝ヘッド!
トピックス2024年5月26日(日)
第13回関東高等学校女子サッカー大会 準決勝
暁星国際 0-1 十文字
得点:[十文字]本多桃華(55分)
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後半20分、十文字(東京)はFW本多桃華(2年)が貴重な先制点を挙げる。DF小島世里(3年)の蹴ったコーナーキックに頭で合わせ、0-0の時間帯がつづく重苦しい雰囲気を振り払った。第13回関東高等学校女子サッカー大会は5月26日、市原スポレクパークで準決勝が行われ、十文字と暁星国際が対戦。先制した十文字がリードを守り切り、1-0で勝利を収めた。
「決める前はあまりボールを触れてなくて、シュートも打ててなかった。だからここで自分のヘディングの強みを活かして決めようという思いで、何本もコーナーがあったので、モノにしようと思いました」。本多はゴールに対する強い気持ちを口にした。
十文字は前半、暁星国際の堅い守備を崩せず、公式記録上ではシュート1本に抑え込まれる。小島が狙ったフリーキック、(公式記録ではカウントされていないが)MF新井萌禾(3年)が放ったミドルなど、セットプレーや遠めからのシュートに限られた。
暁星国際の両センターバックは本多に対しても上手く対応する。マークを受け渡したり、ボランチやサイドバックのサポートもあり、本多自身も前向きでボールを持てるシーンが少なかった。前線に起点が作れない中でチームとしては背後を狙ったボールも多くなる。
「1.5列目を上手く使おうとハーフタイムに話してたので、そこのスペースを有効に使うこと。自分が仲間の動きをしっかり見て有効に使いました」(本多)。
迎えた後半、本多はコメントのとおり1.5列目に下がったり、サイドに流れたり、ポジションを変えながら味方からのパスを引き出していく。そこに周囲の流動性も加わり、徐々にボールが動いていく。流れの中からのシュートが増えたわけではなかったが、後半も献身的な動きで守備をする暁星国際の体力を奪っていった。
試合の流れを決定づけたのは後半10分、DF澤田さくらアリーヤ(3年)の投入である。右ウイングに入ると味方からのボールを引き出し、スピードを活かして幾度も突破をしかけていく。サイド攻撃が活性化されるにつれ、コーナーキックも増えていった。
「澤田先輩は足が速いので、それを生かして自分が中で待てるように信じてました」と、本多も虎視眈々とゴール前でチャンスを窺った。そして後半20分、澤田の突破から先制点のきっかけとなるコーナーキックを奪ったのである。
本多を中心に歓喜の輪が広がる。両手を広げて迎えるのはキャプテンの新井萌禾。
本多はU-17日本女子代表として、AFC U-17女子アジアカップ(2024年5月6日-19日)でセンターバックやボランチのポジションでプレーした。大会から帰国してチームに戻ると、今度はセンターフォワードとしてプレー。まったく異なる役割を演じている。「中学の時もずっとセンターバックでした。昨日の試合も結構難しかったんですけど、ゴールを狙うというのは変わらない。常に自分が起点になってゴールを狙い続けることを意識しました」と語り、ポジションの違いに苦労しつつも、それぞれのポジションで得た経験を現在のプレーに活かしているという。
「フォワードに今動いてほしいとか、センターバックの時に思ってることもある。そういった面では、自分が今動いたらセンターバックは楽だろうとか、逆にセンターバックの時はフォワードに今出してほしいとか。タイミングはそれぞれのポジションで勉強になります」。
フォワードとして、より成長することにも貪欲だ。
「自分は裏に抜け出すより、ポストプレーで起点となる攻撃が多い。チームが苦しい時に自分にめがけてボールを蹴ってきて、それでゴールをめざせるようなフォワードになりたい」。さらに続ける。「裏への抜け出しがフォワードとしての動きはまだまだなので、これからもっと磨いていきたい」と、フォワードとしてプレーの引き出しを増やすことにも意欲を示している。
本多は翌日の決勝でも後半終了間際の70分にチームを敗戦から救う同点ゴールを挙げた。十文字はその後、延長戦で2点を奪って3-1で勝利。5年ぶりの優勝を飾っている。3試合連続3ゴールと結果を残したエースは、約2ヶ月後のインターハイに向けた課題を次のように話している。
「インターハイは35分ハーフなので、早い段階でどう点を取るかが大切になってくる。自分の課題である決めきるところをしっかりして、インターハイでもっともっと点を取れるように頑張りたい」。
インターハイでも前線で起点となり、貪欲にゴールを狙い、裏への抜け出しでボールを引き出す。プレーの幅を広げて、5年ぶり2度目のタイトルをチームにもたらす意気込みで夏の舞台に挑む。