2023年11月5日（日）
2023プレナスなでしこリーグ2部入替戦 第1節
‪SEISA OSAレイア湘南FC‬ 2-0 ディオッサ出雲FC
得点：［R湘南］中島咲友菜、鈴木陽笑

チームに待望の先制点をもたらしたのは、後半途中に投入された高校生MFだった。

0-0のまま終盤を迎えた試合。SEISA OSAレイア湘南FC‬はFW加藤ももの投入により右サイドに移ったFW高橋沙矢香が積極果敢なドリブル勝負でチャンスを作り出していく。チームに攻撃の流れを引き寄せた72分、柄澤俊介監督はMF中島咲友菜を呼ぶと、”ゴールをめざせ”とピッチに送り出す（MF遠藤彩椋との交代）。

「ゴールを決めて、チームを楽にできたらいいと思ってました」と、中島はゴールへの強い決意を胸にピッチへ入っていった。そしてそのチャンスはすぐに訪れる。

79分、左サイドやや内側のスペースでボールを受けると、迷うことなくゴールに向かって突き進む。寄せてきた相手ふたりの間を抜け出すと、3人目が滑り込んでくる。

「ドリブルで仕掛けて、ちょっとボールタッチがでかくなっちゃったんですけど、最後は気持ちで押し込んだって感じで入ってよかったです」（中島）と、相手がカットを試みたボールが中島に当たってゴールに転がり込んだ。

偶発性を伴うシーンではあったが、ゴールへ向かうその姿勢にこそ価値がある。

「あの子はそういうタイプの選手なので。こういう試合って、ペナ（ペナルティエリア）内で何ができるかじゃないですか。そういうところでは、やっぱり怖いんじゃないか。もちろんそれを期待していたし、前に運ぶというところはやってくれたかなと思います」と、指揮官は期待通りの活躍に目を細めた。

今夏のインターハイでは3試合出場4ゴールを挙げた。

中島は長野県松本市を拠点に活動する女子サッカークラブ、FCシュロス松本VIVOの出身。「トップチームがあるというのが決めた理由としてありました。一緒に練習できるとか、そういうメリットがあるじゃないですか。あとはパスサッカーに魅力を感じました」と、湘南の下部組織である星槎国際高校湘南に加入する。

高校では1年時からレギュラーとして活躍するかたわら、トップチームの練習にも参加。「スピードが違った。攻撃の速さもそうですし、 守備の寄せの速さも違うので、トップでやってるとレベル高いなと思います」。日々、レベルの高い練習で揉まれながら成長を続けている。

高校では国吉花吏埜、宮本和心と3トップを形成。全国でもトップクラスのアタッカー陣の一翼を担う。昨年の入替戦予選大会では3試合に出場したほか、皇后杯でも2試合出場1得点の成績を残すなど、トップチームでも着実に実績を重ねている。

次週は11日と12日に高校の選手権関東大会、12日にはトップチームの入替戦第2節が控えている。高校3年生の中島にとっては集大成の大会であり、なでしこリーグ2部への昇格はクラブの悲願でもある。

「高校の方が先にあります。勝たないと終わりになってしまうので、まずそこを勝って次の週につなげられるようにすることと、日曜日はトップの試合なので勝って昇格決められるようにしたいです」と、チームにとっても自身にとっても大切な週末に向けて意気込みを語った。