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[宮城県高校総体]決勝|常盤木学園DF岡村まどか、与えられた環境で成長遂げたCBが貴重な先制ヘッド!

トピックス Takuma Omori(みなサカ編集長)

2024年6月3日(日)
令和6年度宮城県高等学校総合体育大会 決勝
常盤木学園 2-1 聖和学園
得点:得点:[常盤木学園]岡村まどか(52分)、菱沼みずき(58分)、[聖和学園]櫻井梨里花(70分)



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6月3日に行われた令和6年度宮城県高校総体の決勝で、常盤木学園が聖和学園を2-1で下し、2年ぶり18度目の優勝を果たした。試合はスコアレスで折り返した後半に常盤木学園が2点を先取すると、聖和学園の反撃を1点に抑えて逃げ切りに成功した。

常盤木学園は後半15分、MF髙木沙都(3年)が蹴ったコーナーキックに、DF岡村まどか(3年)がヘディングで合わせてゴールを決めた。岡村は、「自分がファーだったんですけど、(ボールが)ちょうどファーに流れてきて、相手がいなくてスペースがあったので突っ込んでいった」と振り返る。4月に開幕した東北女子サッカーリーグを含めても今シーズンの初ゴールとなった。

試合を優位に進めたのは常盤木学園。「聖和はドリブルが上手いので、1人で行かないで2人ぐらいで行って取り切ることを意識してました」(岡村)。最終ラインが中盤やサイドの選手と連携しながら聖和学園の起点を潰し、ペナルティエリアへの侵入を許さない。

攻撃では攻守の切り替えで相手を上回る。インサイドハーフ、そして岡村ら最終ラインの選手がプレッシャーの少ないピッチ中央でボールを運び、チームのストロングポイントであるサイドへ展開した。先制点はサイド攻撃から得たコーナーキックである。前半からの良い流れを滞らせることなく、岡村の得点に結びつけている。

センターバックとして、攻守においてチームに貢献する岡村。守備面では中盤の選手と連携しながらボールを奪い取り、攻撃面ではドリブルで持ち上がってからのパスなど、ビルドアップにもかかわる。

昨シーズンまでは攻撃的な左サイドバックとしてプレーしており、特にビルドアップなどで難しさを感じることがあったという。「今日みたいにボールも回せてきて、いい感じに仕上がってきてるなって思います」と、慣れないポジションにも手応えを感じつつある。

ノジマステラ神奈川相模原アヴェニーレでプレーしていたが、中学卒業後は常盤木学園への進学を決める。全日本高校女子サッカー選手権で最多優勝(5回、現在は藤枝順心の7回)を誇っていたチームへの憧れがあったという。「優勝してきた伝統みたいなのがまだ残っていて、それに自分たちがついていけたら優勝できると思います」と、岡村は実際に常盤木学園でプレーした印象を語る。

常盤木学園の伝統とはどのようなものか。岡村は次のように語る。

「上下関係がないから話し合いも活発にできるし、練習も自分たちで考えてやらなきゃいけないところとか。(指導者に)言われるだけじゃなくて、自分たちで発信しなきゃいけない」。

岡村は与えられた環境の中で、自主的に考え行動することに向き合い、着実に成長を遂げてきた。名門校でのプレーを志した背景には、より高いレベルで自分を磨きたいという意志があったのだろう。その決断がここまでの成長につながり、これからの成長を導いていく。