[選手権神奈川県予選]星槎MF望月心咲、2年ぶり県制覇を手繰り寄せる先制点!幅広い動きで攻撃を支える
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2023年9月23日(土)
第32回神奈川県高校女子サッカー選手権大会 決勝
星槎国際湘南 2-0 湘南学院
得点:[星槎]望月心咲、宮本和心
第32回神奈川県高校女子サッカー選手権大会は9月23日、県立スポーツセンター球技場で決勝が行われ、星槎国際湘南と湘南学院が対戦。前後半の立ち上がりに得点して試合を優位に進めた星槎国際湘南が2-0で勝ち、2年ぶり6度目の優勝を飾った。
「監督がいなくても自分たちができることをみんなでやって、いつも言われてることを意識して、 試合前にも全員で確認してこの試合に臨みました。声かけとか、雰囲気とか、試合への入り方を全員が意識した」(MF望月心咲)。
上記コメントのとおり、星槎国際湘南はトップチームであるSEISA OSAレイア湘南FCの監督を兼任する柄澤俊介監督が不在だった。トップチームは9月22日から24日にかけて、なでしこリーグ2部入替戦予選大会を戦っており、FW国吉花吏埜(3年、琉邦クラブ)ら、トップチームに下部組織登録されている複数の選手は、大会が開催されているJヴィレッジと神奈川を行き来するなど、過密日程の中で決勝に臨んだ。
★★★
試合はいきなり動いた。前半3分、左サイドに流れたMF宮本和心(3年、五戸町スポーツクラブ)へボールが渡る。宮本がゴール前へ折り返すと、相手DFを振り切ってゴール前に走り込んできたMF望月心咲(3年、横須賀シーガルズMEG)がワンタッチで流し込んだ。
「試合の前の練習から"クロス待っててね"と言われることが多かった。上げてくれることを信じて中に入ったらいいボールが来たので合わせるだけでした。いつもは和心じゃなくてサイドバックの選手とかが上げてくれるんですけど、 和心もクロスの精度がいいので信じて中に入りました」(望月)。
星槎国際湘南は立ち上がりから湘南学院のプレスを受けていた。自陣で粘り強くボールをつないだが、攻撃のバロメーターでもある両サイドバックが攻撃参加する時間を作るには至らない。そのサイドのスペースを宮本が使い、望月の得点につなげる。
幸先良い先制点がチームを楽にした。先制後も湘南学院のプレスは続くが、星槎国際湘南は慌てることなくボールを回していく。ボールをつなぐエリアがじわじわと上がっていく一方、湘南学院がプレスをかける位置は下がっていく。時間の経過とともに、星槎国際湘南の優位は揺るぎないものとなっていった。
1-0とリードして前半を折り返すと、後半14分には追加点が生まれる。最終ラインからCB中野希音(3年、FC刈谷 al-futuroレディース)が右サイドへ展開する。これを受けた右SB坪井茉凛(3年、白岡SCL)は、一度は失いかけたボールを奪い返すと、前方の国吉に預ける。ドリブルで運んだ国吉がゴール前へ折り返すと、ここに走り込んできた宮本がワンタッチで流し込んだ。2星槎国際湘南はこの後も主導権を明け渡すことなく、2-0でタイムアップを迎えた。
「チームとしてはいい雰囲気で試合に臨むことができたので、関東大会でも続けていきたい。 個人では簡単なミスも多かったので、そこを修正して関東大会ではもっと星槎らしいサッカーをしたいです」。
11月11日に開幕する関東大会に向けて、意気込みを語ったのは先制点を挙げた望月である。自身のプレーについては次のように振り返る。
「こういうグラウンド状況なんで、裏に来るボールの方が多いかなと思って、最初は裏に抜けたりしてたんですけど、自分たちもまだつなげられるってピッチ内で話し合って、つないでいこうってなった。落ちたり上がったり、スペースを見つけて受けたりしてました」
得点場面ではピッチ中央からゴール前までのフリーランニング。この日は右インサイドハーフを務めたが、右WG国吉のポジションチェンジに合わせて外に開いたり、低い位置に落ちてビルドアップを助けるなど、柔軟なポジショニングで幅広い動きを見せた。攻撃にかかわる場面での好プレーが光ったが、他にも得意としているプレーがあるという。
「ハイボールのヘディングは得意なので、キーパーからのボールだったり、センターバックからのボールはなるべく前にはね返すようにしています。今日はあまりやってないんですけど、前からのハイプレスも得意なので、タイミングよく前プレをかけるのが強みです」。
右から国吉、宮本、中島咲友菜(3年、FCシュロス松本VIVO)。前線の三枚看板が星槎国際湘南の攻撃を牽引していることに疑いの余地はない。だが、その3トップを中盤で支えるひとりである望月の存在もチームにとっては欠かせないものである。